jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

Chrome OS flexの一次実験に成功--操作が分からないが,これから徐々に

小・中・高校のIT化が進められている。正直,最近の子どもたちは,やれ英語教育だ,アクティブラーニングだ,プログラミング学習だ,そしてIT化だ,などと大変だなと思うし,教員ももっと大変だと思う。そもそも日本の教育は,基礎教育とは何かについての議論がまともに行われておらず,海外のマネをして形から入ろうとするから,既存の633制や,義務教育,大学入試制度などとの整合性が取れず,おかしなことになっていると思う。

 個別の案件はまたコメントする機会もあるだろうが,筆者として前向きに取り組みたいのは教育現場のIT化である。

 IT化と言って,やれタブレットを全員に配るだの,学校のネットワーク環境を整備するだのと,新型コロナ禍でリモート教育が必須になったことから環境を整えることに躍起になっているが,本当の教育の場のIT化はこのネットワーク対応ではないことをまずコメントしておこう。

 IT化のキモとなるのは,紙の教科書一辺倒からの脱出である。といっても,すべてを電子教科書にするという極端な動きとも違う。紙の教科書の良さは活かしつつ,動画や音声などのマルチメディア教材で感覚的に理解を深めることがポイントなのである。

 このために必要なのは,タブレットやネットワーク環境ではなく,まずはプロジェクターとスクリーン,そして単純なPowerPointによるプレゼンテーションである。

 日本の小中学校におけるプロジェクターの普及率は,他国に比べて極端に低い。たとえば韓国はすべての教室にプロジェクターが設備されている。日本の某家電メーカーもこの教育現場向けのプロジェクターを発表していたが,普及を見る前に会社ごとなくなってしまった。日本ではその代わりに大型液晶テレビを教室に設置するケースが増えているが,図体が大きく,移動も不便で,プロジェクターの簡便さには遥かに劣ると思っている。なぜプロジェクターが普及しないかが不思議でもある。

 さて,一方で加速したタブレットに話を移してみる。

 オフィスでは現在,Windowsパソコンがメインである。何しろ,Windowsを開発したMicrosoft社の「Office」ソフト,中でも「Excel」と「Word」が業務に必須な状況ができているからである。Macを使う場合も,「Office」の導入はほぼ必須である。でないと,ファイルの交換時に互換性が保てないからである。多くのOffice互換ソフトが開発されているが,完全互換には程遠い。特に,マクロはまったく動かない。

 ならば,教育現場でもWindowsを導入するかというと,今度はOSのライセンスを支払う予算がないという理由か,Windowsは導入されない。その代わりとして配布されたのが,Chrome OSを搭載したタブレットである。こちらはGoogle社が開発したOSであり,OSのライセンス料が要らない。あとはハードウエアがあれば台数を揃えることができる,という理由での採用である。

 問題があるとすると,「Office」がないことではないかと思う。Googleは,Office互換のオンラインソフトを提供している。Excelに対してGoogle Spreadsheet,Wordに対してGoogle Document,PowerPointに対してGoogle Slideなどである。もちろん,体裁は同じように作れるのだが,完全互換というわけにもいかず,マクロも互換性がない。教育現場でこの環境に慣れてしまって,実社会のWindowsやOfficeの環境に慣れるだろうか,という心配がある。実際,多くの大学はWindowsであり,医学系はMacが主流である。まあ,いずれパソコンはなくなるかもしれないが。

 こういう心配をしつつ,筆者はいろいろなOSを体験することには比較的寛容である。というのも,すでに10台以上もパソコンを乗り換えてきて,古いパソコンが死屍累々となっているからである。古いWindowsパソコンにLinuxを載せてみたり,MacOSの上でWindowsを動かしてみたり,いろいろ実験してきた。ただ,仕事の上でOfficeが必須なので,いずれも実験で終わってきた。

 今回,Chrome OS flexGoogle社から発表された。まだ開発版だが,機能的には最新版のChrome OSだという。教育用に配布されたChromeタブレットや,Chrome Bookパソコンなどに関心があったが,Chrome Bookそのものに数万円を改めて出すほどの気力もなかったので,Windows 10の入門機として導入したASUS機をChrome Book化することにしたのである。ハードディスクにインストールしなくても,USBメモリーからブートして試せるらしいというところも気に入っていた。

 インストールの方法などは,ネットに情報があるのでそちらを見ていただくとして,正直今回はBIOSの設定変更に難儀した。USBメモリーだけでなく,SDカードでもブートできると書いてあったので,マイクロSDカードの使えるASUSならと思って実験したのだが,結局SDカードスロットからはブートできなかった。USBメモリーにOSを入れて初めてブートすることができた。

 いきなり,WiFiネットを登録するだけで,Google Chromeなどの複数のアプリを使うことができた。タッチパッドとの相性が少し悪いが,Bluetoothマウスを登録すると,カーソルも問題なく動くようになった。

 さて,これをハードディスクにインストールしてでも使うかどうかは,まだ迷っている。というのも,Windowsにおけるスタートアイコン,Macにおけるリンゴアイコンが見えず,どうやって終了するかいまのところ不明だからである。正直,Androidと同等であれば,タブレットでも十分だと思っている。何か特別な使い方,Chrome Bookならではの使い方ができるのかを調べてから,載せ替えも考えてみようと思っている。