jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

カード型データベース「ファイルメーカー」は,今進めている「プログラミング教育」にピッタリ--Chromebook上で動かす必要がある

WindowsパソコンのChrome OS flexを載せる実験をしたことを報告した Chrome OS flexの一次実験に成功--操作が分からないが,これから徐々に - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/3/27。そこでも書いたが「Chrome Bookならではの使い方ができれば」という点が実は一番の問題である。

 Chrome OSは,結局はPC版のAndroidであると言っていいようである。筆者はスマホAndroid派であり,おそらく現在使っているスマホには基本アプリ以外に100個は追加していると思う。もはや電子マネースマホがなければ使えないし,これまで店ごとに提供されていたサービスカードも,ほとんどがスマホアプリになった。レジに並ぶ前にスマホを起動して,アプリを起動して,バーコードを出しておかなければならず,また電子マネー,サービスカード,そしてその他の連携ポイントなどをいちいち開いて提示しなければならない。レジでの決済の時間は,以前よりも長くなったのではないだろうか。

 ということで,Chrome OSをPCに入れたときに何が欲しいかというと,Androidスマホと同様,カード型データベース「ファイルメーカー」である。

 ファイルメーカーとの出会いはもう30年も前になる。当初はMac用のソフトで,Windows用も開発された。筆者は両方のOSで同じように使えるこのデータベースソフトとの出会いが,パソコンで仕事をする上で最も重要だったと思う。データ処理を自動化するスクリプトもまったく同じで,どちらのパソコンでも同じように使えた。メジャーなデータベースソフトでこんなに使い勝手のいいソフトは他にないと筆者は思っている。

 ファイルメーカーのいいところは,処理の手順を組み合わせることで自動化するスクリプトを持っていることである。OfficeのExcelもWordも,VisualBasicというプログラミング言語で記述する必要があり,1文字違っただけでエラーになって動かない。これを使いこなそうとすると,まさにプログラミングの知識が必要になる。唯一の助けが,「マクロの記録」という機能で,手動で処理する手順を覚えさせれば繰り返し実行できる。ただ,アレンジするには知識が必要だし,記録したマクロは無駄な処理も多く含まれて最適化できていない。

 一方ファイルメーカーは処理手順を並べるだけなので,その手順さえ正しければきちんと処理はできる。最近,小学校でも始まったプログラミングと同じレベルで,データベース系の大量な処理を繰り返し行える。小学校で習った次に応用するソフトとしては,最適だと思うのである。ロボットの操作プログラムなど,正直言ってほとんど役に立たない。

 iPhoneなどのiOS向けには,ファイルメーカーGOというソフトが提供されている。マクロなどの機能は制限されているようだが,基本的な機能は揃っているようだ。そして開発会社は,Android用には開発する予定はない,と明言している。これほどはっきり言われると,もうどうしようもないのかなと思ったりする。いくつか,ファイルメーカーGOのソリューションをAndroidで動かす例が報告されているが,AndroidChromebookファイルメーカーを使う,ということからはかなり遠いし,Chromebook上でファイルメーカーを使ってデータベースを作ったりすることはできない。ならば,ファイルメーカーを使うということではない。

 ファイルメーカースクリプトを使うと,たとえばWeb上からデータを順次抽出して一覧化したり,さまざまな画像を自動的にダウンロードしたりするなど,多くの作業ができる。調査をしたりする場合,いちいちキーボードを叩くといった必要がなくなる。どうすればパソコンを自分の相棒として使いこなすか」ということを考えたとき,ファイルメーカースクリプトは実に有能な相棒になるのである。正直,ほかのプログラミングソフトでは,こうは簡単には行かない。

 日本のIT教育の場でChromebookを使うのなら,文部科学省Claris社に徹底的に働きかけてファイルメーカーChromebook上に移植することを交渉すべきだと思う。さもなくば,学習過程から社会人にかけてシームレスにコンピュータを使いこなせるように,Windowsパソコンを学校でも使うようにすべきだろう。

 Microsoft社と交渉し,Windows OSのライセンスを通常のアカデミック価格よりもさらに安くなるようにすべきだと思うのである。ただし,問題はOfficeソフトのライセンスも,ウイルス監視ソフトのライセンスも,同時に交渉をする必要がある。

 いずれにしても,今のような中途半端なIT教育は,内容ばかりかハードウエアもソフトウエアも連続性がなく,将来混乱を招くばかりか,まったく役に立たないことになると思う。