jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ロシア,中国は,地球温暖化を歓迎しているかもしれないという仮説--自前の化石エネルギーで世界征服の野望へ

太平洋地域は,昔から台風の被害を受けてきた。アメリカはハリケーンと巨大竜巻,ヨーロッパは近年は熱波の影響を強く受けている。いずれも気象が大きく関係しており,近年の地球温暖化によって,激甚災害へと発展している。

 ところが,ロシアは自然災害の話をほとんど聞かない。もともと寒冷地という悪条件にあったことが,南方への進出のエネルギーとなった国である。世界が騒いでいる地球温暖化には無関心でいられるのかもしれないし,逆に温かくなることを歓迎している可能性もある。再生可能エネルギーに頼らなくても,石油や天然ガスが豊富に得られるため,勝手に二酸化炭素を大量に排出して生き残ることもできると考えているのかもしれない。

 同じように,中国も地震によく襲われるが,気象系の災害のニュースはあまり聞かない。黄河の氾濫が下流に栄養分の高い土を運び,黄河文明が栄えた,という伝統もある。こちらも石炭が豊富にあり,地球温暖化にあまり関心がないのかもしれない。EV化を急速に進めているのは,地球温暖化へのメッセージではなく,クルマを動かす石油を輸入に頼っていることからの独立と,世界のEV車市場の独占のためであるとも言える。さらに,南シナ海の海中から産出する石油を独占するために,パイプを深く掘り下げる技術も開発した。

 ウクライナ紛争により,ヨーロッパのエネルギー需給の弱さが露見した。新型コロナウイルスによる世界経済の停滞によて石油の供給が滞り,価格上昇を招いている。おそらくこの石油価格の上昇によって,すべてのモノの値段が上がり,インフレを招いている。

 ロシアと中国という広大な国土を持つ2国が,地下資源を独占することにより,世界を動かそうとしているように思える。中東の現在の産油国も,遠いアメリカよりは地続きのロシアや中国と連携を深める可能性が高い。これにインドも加われば,ユーラシア大陸連合が形勢され,アメリカやヨーロッパに対しての脅威となる可能性が出てきた。

 2020/8/4に始まった中国の軍事演習が,台湾を取り囲むように設定された6つの地域で展開され,中国本土からのミサイルが台湾上空を通って東側の海域に着弾させるなど,あきらかに台湾を支配する能力を誇示した演習になっている。台湾の掌握を目的としていることは明らかであるとともに,日本への威嚇でもある。ほとんど丸腰に近い日本は,一気に陥落するのではないか。

 筆者は,アメリカやヨーロッパの人や企業と交流があり,戦後の日本の復興のための先輩国として,その技術力や政治,文化などを非常に高く評価している。日本の発展が,アメリカの軍事力の庇護の下にあったことも理解している。そして日本が世界の経済の発展に寄与する製造力,技術力を持った国であり,世界が豊かになることで平和が作られ,戦争や紛争のない地球を作れると確信してきた。

 しかし,世界の工場であった日本が,いつのまにかモノづくり力をアジア各国に奪われ,世界に何も貢献できるものがなくなってしまった。資源がないから知恵と努力で勝負,と言っていたのが,相変わらず資源はないがモノが作れず,輸出するものもない。外貨を稼げるのは,日本伝統文化を観光資源とするか,カラオケやアニメ,コスプレなどのオタク文化の輸出しかなくなり,後者は当然のように著作権保護もできず流出し,観光は海外資本に経営権を次々と奪われている状態である。

 平和外交と言えば聞こえはいいが,単に丸腰で主張しているだけである。ミサイル1発を受ければ,もはや誰もリーダーがいなくなってしまう。当然,アメリカが助けてくれる理由ももはやなくなっている。単なる友好国というだけの立場であり,日米安保条約をいつ解消して米軍を引き揚げてもおかしくない。すでに,韓国や日本,台湾を拠点として中国を威嚇するだけの軍事力を,アメリカは持っていないことが明らかになったからである。

 中国がこの10年間で,軍事力を20倍以上に増強したとは知らなかった。習近平の暴走も,プーチンの暴走と同様,もう止めることはできないのかもしれない。しかし,「暴走」と書いたが,資源と領土を持つ両国に頼ろうとする国が多いのも事実である。

 新型コロナウイルス禍により,地球温暖化を止めるタイミングを人類は失ってしまったように思う。筆者が主張する水素燃焼発電社会も,世界中にインフラを作る前に破綻してしまうだろう。海水面が上昇し,国土が失われようとしている国は,国土のある国に移動する以外に手がなくなる。そのとき,アメリカを選ぶのか,中国やロシアを選ぶのか,という判断も出てくる。熱波に襲われているヨーロッパも,より気候が安定しているロシアに移り住むという選択もあり得る。

 二人の独裁者にとっての脅威は,アメリカ大統領ではなく,GAFA経営者やイーロン・マスクなどの自由経営者だろう。すでに世界にネットワークがあり,メタバースという新しいプラットフォームを築き上げつつある世界企業が,アメリカを選択する理由はどこにもない。強いプラットフォームに乗り移る(寝返る)ことは十分に考えられる。

 「西側」と呼ばれてきたアメリカ中心の陣営が,世界のリーダーではなくなる可能性がちょっと見えてきた。政治も経済も教育も停滞して,どんどん世界順位を下げ続けている日本。アメリカ礼賛,英語礼賛の時代は終わるのかもしれない。