やはり、岸田首相は「屋外でのマスク着用義務はない」と改めて強調した。何の根拠もない発言であると筆者は指摘する。
経済活動を復活させ、海外からの観光客に対して「日本は安全ですよ」とアピールするためだろうが、正直、安部元首相の暗殺事件を許してしまった日本に安心して来日する人はいない。単に、円安での爆買い目的だけである。観光地にはお金は落ちないだろう。
筆者が2002年のSARS流行以来、屋外でマスクを着用していることは何度も書いた。不特定多数の中にウイルス保菌者がいる可能性が高く、必要以上の接近や突然の咳、くしゃみに襲われる危険があるためである。
したがって、筆者にしてみれば、「屋外でのマスク着用は必須」なのである。すでに猛暑が過ぎ、寒くなってもいるので、熱中症の危険もない。屋外でのマスク着用はむしろ推奨すべきである。
屋内の問題は、寒い季節に換気が不十分になることである。これも、これまでに何度も指摘しているが、強制換気の設備が必須なのである。
これまでの感染拡大シミュレーションでは、1回の咳、1回のくしゃみのマイクロ飛沫がどう広がるかだけの解析しかなかった。しかし、感染者は繰り返し咳やくしゃみをする。空気の流れがあろうがなかろうが、時間の経過とともに室内のウイルス密度はどんどん上がる。ウイルス飛沫が飛び回っている空気をいかにかき混ぜても、感染リスクは下がらない。とにかく、連続的に排気する強制換気装置は必須だと考えるのだが、誰も指摘しない。
逆に、強制換気装置を備えた屋内は、ウイルス飛沫密度も低くなるし、オフィスでは不特定な人物はいない。コールセンターのような常に話をしなければならない職場以外は、デスクワーク中のマスク着用は不要であると考える。会議や会話の際はマスク着用するようにすればいいだろう。
寒くなる時期である。ただでさえ風邪やインフルエンザも流行する。この時期にマスクなし宣言をするのは、まったく逆だと筆者は考える。