jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

恐ろしき日本のプラットフォーマー2人

SNSなどの新しいプラットフォームは,さまざまな問題を抱えてはいるが,根本的にユーザーのニーズに応えていることが,世界中で使われている理由だろう。

 筆者のように,1対1のメールが唯一のコミュニケーションツールだった時代に生きて来た者にとって,現在のように自らが情報発信元となり,無記名で不特定多数に情報発信できるプラットフォーム,またそれに双方向に情報発信ができるプラットフォームは,理解不能である。この「はてなブログ」についても,無記名情報発信はしているが,コメントを許していない形を続けている。個人的な情報発信には間違いの可能性もある。世の中の考え方は十人十色。双方向でやり取りを始めたら,いわゆる炎上するのは目に見えている。

 当時のプラットフォームは,パソコン通信と呼ばれるもので,基本的にアカウント登録は実名だった。ニックネーム(ハンドルネーム)でのやり取りでも個人の顔が見えるような場だった。専門テーマごとの「会議室」と呼ばれる場があり,議長が場を運営していた。不適切な発言は,議長が削除する権限を持っていた。実に穏やかなコミュニティーだった。

 その時代に,掲示板という新たなプラットフォームが開かれた。場の運営の責任者が不在,発言は無記名で可能,という荒っぽいもので,発言は暴言のやり取りであり,今でいう「炎上」がどのテーマでも起きていた。その名を「2ちゃんねる」という。現在も存在するようである。このプラットフォームを作ったのが,西村博之氏。現在,ネットやテレビのコメンテーターとして活躍している「ひろゆき」氏である。現在はYouTuberとしても有名で,ここのところ「切り抜き動画」という手法で動画の一部を切り出して拡散しているユーザーに自らの動画の拡散権利を与え,その代わりに広告収入を折半するという方法を編み出したという。

 一方,同氏とともに新しい動画配信サイト「ニコニコ動画」を立ち上げたのが川上量生氏。投稿された動画の評価コメントが画面の上を流れるというインタフェースで盛り上げるプラットフォームを作った。その後の多彩な人生を送っておられる。

 ネットで有名なのはひろゆき氏だが,2人の作った情報プラットフォームや運用方法は,日本独自なもの,日本の若者に受け入れられるものなのだろう。

 しかし現在は,2人とも基本的にプラットフォーム運用からは外れているようで,評論活動などにシフトしているようである。別の見方をすると,生み出したプラットフォームが独り歩きしているようにも思う。

 海外で生まれたプラットフォームも,独り歩きをして「制御不能」になっている面がある。誹謗中傷やハラスメント,そして犯罪予告などの発言を載せても,現時点では人の目で確認する以外に消去・制御する方法がない SNSアプリに「不適切語チェック機能」の実装を要望 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/8/13。まさにいたちごっこである。

 もともと,SNSは双方向・無記名でのやり取りが可能で,炎上となる要素を含んでいる。それをそのまま放置,あるいは意図的に制御せずに,運用を続けていた。そしてその運用から手を引いた。責任逃れの感がないとも言えない。

 世の中,聖人ばかりではない。経営上での不正をした人,使徒不明のカネを受け取ってのし上がった人も多い。過去の不具合をすべてクリアしなければならないというわけでもない。旧メディア人の中には,そういう過去暴きばかりしていることも多い。

 少なくとも,紹介した2人が作り上げたプラットフォームが,不正な情報交換の場になっていることも確かである。ここはすっきりした上で,新しいプラットフォームを展開してほしいと思っている。それぐらいの知識と知恵,アイディアを持っていると信じたい。