jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

合成燃料(e-fuel)の可能性を分析する--水素燃焼と並行して合成燃料も優先すべきかも

全方位戦略と宣言したトヨタ自動車。ハイブリッド、EV 、燃料電池、水素燃焼の次に挙げたのが、合成燃料である。このエネルギー源は、石油に直接換わるものだと言われる。つまり、現在のガソリン車でもそのまま使えるモノを指す。確かに魅力的なのだが、その可能性を分析してみる。

    合成燃料は、CO2(二酸化炭素)とH2(水素)を合成して製造される燃料で、複数の炭化水素化合物の集合体である。“人工的な原油”とも言われているようである。

   まず、燃料としての品質である。既存のガソリンエンジン車などに入れて問題なく走る、ガソリン相当の燃料ができるかどうかである。

    次は、コストとエネルギー負荷である。1kgの合成燃料を作るのにいくらかかるか、そしてどれだけのエネルギーを投入する必要があるかである。

 合成燃料の製造は、「600度以上の高温下で触媒を用いてCO2をCOに転換させ(逆シフト反応)、生成したCOとH2をFT合成反応(フィッシャー・トロプシュ合成反応)により行う」(e-fuel(合成燃料)とは何か? トヨタも取り組む「CO2を排出しても脱炭素」の作り方 |ビジネス+IT)とある。メリット,デメリットもうまくまとめてあるので,参照されたい。どうやら,一度いろいろな成分を含む石油同等のものができ,ここから再度,用途に応じた成分を分離するらしい。そこにガソリンと同等の燃料も精製できるようである。従来の石油化学のノウハウが使えるのがメリットの1つだろう。現在のガソリン車に利用しても,基本的にまったく問題はなさそうである。

 コスト目標は,2021年の資源エネルギー庁の資料では,2050年に約100-150円/L(https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/energy_structure/pdf/007_02_00.pdf)。触媒の効率向上,量産によるとしている。バイオ燃料などに比べて,工業生産品であることから,量産効果は高いと考えられる。

 CO2を原料にして,またCO2に戻してしまうが,カーボンニュートラルという意味では日本が主導してもいい技術だと思う。筆者としては,完全CO2フリーな水素燃焼がイチオシなのだが,結局,筆者としても100%きれいごとだけでは生きて行けない。実際,このパソコンを動かしている電気はCO2を排出して作られたものだし,プラスチックも結局は使って捨てている(もちろん適切にだが)。

 しかし,すでに人間の活動が地球に及ぼす影響は,後戻りできない段階なのを感じる。人新世(アントロポシーン)の基準場所としてカナダのクロフォード湖が認定された(【現代を象徴する地層】“人新世”の基準地カナダ・クロフォード湖に 決め手は1950年代以降の地層変化の明瞭さ(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース 2023/7/13)。1950年代の人類の営みがすでに湖底に残っているというが,地球表面は全面的の変質してしまって,元には戻らないようにも思える。

 拡散ばかりを続けた人類が,カーボンニュートラルという1つの歯止めを提供できるかどうかによって,「人新世の終わり=次の世の中の始まり」とならないように祈りたいところである。ただ,環境問題だけでなく,政治的エゴ,そして核エネルギーという,全生物・全地球への危機を抱えてしまっていることも確かである。