jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

自転車は「フリーハブ」のカラカラ音があるから歩行者に対する安全性がまだ高いと言える--電動キックボード反対のもう1つの理由

筆者は,電動キックボードに反対している(電動キックボードは“静か過ぎ”て危険--急ブレーキ時の安定性にも疑問 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/4/17)。
 なぜ,電動キックボードが歩行者に対して危険なのか,を考えた時に,「じゃあ,自転車は安全なのか」という反論があるかと思う。そこで,構造的に1つの問題点を提示したい。
 自転車と電動キックボードが根本的に異なるのは,自転車の場合,後ろから接近しても認識できる仕組みを持っていることである。その最大の仕組みが「フリーハブ」であり,フリーハブからの「カリカリ」という細かい連続音によって,接近を知ることができることである。
 ペダルをこいでいる間,ペダルの力はチェーンを通じて後輪の歯車を回転させ,これにつながった後輪に力が加わる。しかし,ペダルをこがなくなると,チェーンは動かず,後輪の歯車も動かないが,後輪は回転を続ける。ここに「フリーハブ」の仕組みがある。
 フリーハブによって後輪が勝手に回転している間,フリーハブは「カリカリ」という細かい連続音を出す。機械的に歯車への引っかかりを外しているからである。
 歩道で前に歩行者がいるときに,ペダルを踏み込んで加速する運転者はまずいない。いたとしても,歩行者の横をすり抜ける際はペダルの踏み込みをやめる。するとフリーハブからのカリカリ音はほぼ確実に発生し,歩行者は自転車の接近を知ることができる。これは電動アシスト自転車でも同じである。
 しかし,電動キックボードにはフリーハブの仕掛けはない。ブレーキで減速しても何の音もしない。緑のランプの点滅・点灯は,対向する歩行者には見えて注意喚起できるが,同じ方向を歩く歩行者の後ろからの接近時にはまったく機能しない。
 まさに,ハイブリッド車やEV車の接近が分からないのと同じ理由である。
 ただのキックボードは,硬質プラスチックのタイヤを使っているため,タイヤからの走行音が出る。後ろからの接近も聞こえる。しかし電動キックボードはゴムのタイヤをはいているため,車輪音はしない。急ブレーキは運転者の転倒を招くため,運転者自身は絶対に急ブレーキをかけないから,ブレーキの音もしない。
 改めて,電動キックボードの使用禁止を訴えたい。