民族,国家,主義,それぞれ立場が違うグループを引っくるめて,地球全体で「国際連合」という調整機関が存在する。「国際」つまり「インターナショナル」で,世界中の国が参加して,「地球」を存続させるための議論を行う場として設立された。
常に対立してきた資本主義国家と社会主義国家も,国として参加し,意見を交換する。当然ながら,対立する話題について合意することはない。それでも,話し合いの場を作ることが,人類に与えられた唯一の知恵である。
その中で,常任理事国の5つの国には,「拒否権」が与えられている。拒否権を使えば,合意はできない。資本主義側のアメリカ,イギリス、フランス、社会主義側の中国、ロシア連邦が,それぞれ拒否権を発動できる。ほとんどのテーマで,連合による合意はできない。
この流れで,社会主義国が国連を離脱して新しい連合を形成しようという動きがある。2つの連合が出来上がると,ほとんどすべてのテーマにおいて,合意も調整もできなくなる。
資本主義国は,自由,平等が原則であるのに対し,社会主義国は,リーダーシップによる独裁統治である。まったく交わる可能性はない。
社会主義国が国連を離脱して社会主義国連合を形成すれば,地球上の国は常に2分されてしまい,合意を形成することはできない。延々と争いを続けてしまうことになる。
自由主義国は,経済原則で発展した。これに対して社会主義国は国内外の統治のための軍需産業への投資が大きく,リーダーによる搾取構造がベースとなる。
かつて,自由主義国は,社会主義国のリーダーによる搾取構造が国民を不幸にしているとして,自由主義国家への誘導を進めた。自由主義,自由競争こそ,健全だと主張したのである。しかし,経済が伸び悩み,むしろ国家による保護でリスクヘッジした社会主義国が,国力を大きく伸ばした。戦後復興の日本という特殊モデルより,国家の保護による保護主義が,軍需産業を中心に雇用を生み,収入を生み,GDPを向上させることで,自由主義よりもいいのでは,という評価になってきている。GDP世界2位に伸ばした中国がその成功事例であり,2位から4位にランクダウンした日本が失敗例である。
自由主義国では,現在のリーダーが失脚しても次のリーダーが出てくる。一方,社会主義国は独裁国家なので,現在のリーダーの次のリーダーは不安定である。それだけに,現在のリーダーは強力な権威を使って自分の思いどおりのことを運ぼうとする。話し合いよりも実力に訴える可能性がある。
国連が現在,まったく機能していない。話し合いというより,ただの主張のやり取りだけになっている。まったく合意ができない。民主的な多数決で決めようとしても,常任理事国が拒否権を発動すれば,結論は出ない。議論をしても結論が出ないのでは,言論の自由が保証されていないのと同じである。
中国が「社会主義資本経済」を実行し,巨大な共産党組織をベースに,民間企業の自由競争を推奨し,世界の工場としての地位を確立した。その分,他の社会主義国が軍需産業を中心として声を上げるのを,やや冷ややかに見ていると考えられる。唯一,中国の習近平書記長が,社会主義陣営の中で資本主義側と連携が取れる国である。
ロシア,イラン,北朝鮮の暴走を,止められるのは習近平しかいない。東側連合を作るにしても,中国は入らないと思う。そのうえで,ロシアやイラン,北朝鮮の暴走止めてくれることを期待しているのである。
ロシアによるウクライナ侵攻から2年になろうとしている。北朝鮮やイランから武器供与を受け,意地になって戦争を続けているが,周氏が一言言えば解決する可能性があると見ている。
問題は,ロシア,イラン,北朝鮮,フーシ派などの社会主義国が,他国との協調をまったく拒否して独自の行動に出ていることである。
ロシアのウクライナ侵攻は,ウクライナ南部での一次退避報道により,ウクライナが一気に不利になった。イランと北朝鮮から大量の武器の供給を受け,一気に反撃に転じる可能性がある。これに対して,西側陣営は足並みが揃わない。
ロシア国内でウクライナ侵攻中止の世論の盛り上がりを期待したが,結局は実現しなかった。中国がロシアを懐柔しなければ,残念ながら西側と東側の対立構造は変わらず,話し合いの場も設けられず,これは第三次世界大戦の危機と言える。
すでに,地球環境の大幅な変化により,海面上昇は進んでいる。グリーンランドや南極の氷河が解けている。北極海の流氷が消えつつある。
本当にこのままだと,次の世代では地球は壊れてしまうし,食料はなくなってしまう。なぜそれが分からないのだろうか。
日本は,地球環境のために,水素エネルギーと陸上養殖・植物工場という技術で,世界に貢献し,第三次世界大戦を防ぎ,地球の平和に貢献しなければならない。