宝塚歌劇団、上級生らのパワハラ認め謝罪へ 午後4時から緊急会見 (msn.com) (2024/3/28)。
かつては「女の園」と呼ばれていたタカラヅカである。筆者の故郷の近隣市にあるのだが,筆者とはまったく縁のない世界だった。少女マンガのリアル版というイメージで捉えており,今でも筆者的には「存在価値が理解できない」領域である。
女性の園と言えば,大奥のイメージも重なる。こちらも,トップの座を競って熾烈な女同士の戦いが繰り広げられる。ここでいうトップは,主君(殿様)の寵愛を受けられるかどうか,つまり世継ぎとしての子供を産めるチャンスが得られるかどうかがポイントになる。世継ぎが生まれれば,将軍の母として強い立場を得られる。
タカラヅカでは,トップはスターであり,卒業後は映画女優などの道が開ける可能性が高まる。家族を作るにしても、ハイソサエティへの切符を手にできる可能性がある。
踊りに歌劇(オペラ)、となれば、体育会系のピラミッドが形成されているだろう。上級生による指導も厳しいが、純粋な指導だけでなく、特有の陰湿さを伴うことが容易に予想できる。先輩による後輩イジメである。
同じ立場にある生徒の中での度を越した指導は、イジメである。一方、指導者によるモノは、その立場の違いにより、パワーハラスメントになる。指導する側が意図しなくても、指導される側が負担を感じたことが、ハラスメントである。
今回、「パワハラを受けたことによる自殺」として問題になっているが、筆者からすると、「イジメを受けたことによる自殺」である。
タカラヅカの中では、上級生に絶対服従であることは知られている。しかし、生徒であれば、身分保証されている訳ではない。しかも、ヘアアイロンを押し付けてヤケドをさせたという行為は、指導ではなくイジメであり、ハラスメントには当たらないと思う。意図しての行為はハラスメントではなく,犯罪である。ハラスメントは,相手が嫌だと感じるかどうかで判断できる問題だからである。
いずれにしても、当事者も管理者も実態を把握していなかったことは責任がある。
今のタカラヅカ卒業者の社会的影響力が減っている。校内でのイジメ体質といったレベルの低下が,クオリティを下げているのではないか。女の子の夢を描くという使命を,すでに終えているのではないか。