毎度の通勤電車話で恐縮である。混んだ車内で立っていると気になるのが,隣の人がつり革につかまっているときのヒジが自分の顔の横にくる時,前の人が持つスマホが自分の顔の前に近づく時である。
一方,電車の席に座っているときに気になるのが,前に立つ人の前背負いのバッグが自分の顔に近づいている時と,なぜか長い傘をつり革の位置でつかむことで傘の先端がちょうど自分の顔の高さにくる時である。
接近の距離は10cmぐらいなのだが,自分の経験からいえば電車の揺れによって20cmは簡単に身体が動いてしまう。ぶつかる危険性を感じて,身体をよじったり,自分の顔の前に自分の腕を置いたりして,とにかく顔に当たらないようにしている。
傘の場合はさらに,雨で濡れてしずくが垂れていることもあるから,ある程度遠慮なく注意して傘の位置を変えてもらったりするが,ヒジ,デイパック,スマホの場合は,ガンとして譲らない人がほとんどである。いずれも,耳にイヤホンを付けていることが多く,周囲への関心がまったくない状態である。ヒジやデイパックが気になるのは,特に背が高くて腕が太くてデイパックが巨大な男性,スマホは男女問わずこちらに向けられている場合に気になる。
尖った先端を怖く感じる先端恐怖症というのがあるが,筆者はそれに近いのかもしれない。もちろん,尖ったものは怖いが,別に気を付ければいいだけの話である。自分で使う分には何の問題もない。他人が使えば気になるだけである。
ヒジも「角」,スマホも「角」となると「角恐怖症」と言ってもいいかもしれない。
背の高い人がつり革を持てば,腕が長いからヒジが曲がり,そのヒジが横に突き出して他人の顔に近づくということを理解できていない。混んだ車内でも,あえてスマホを見ようとして,相手に近づきすぎたり,逆に反り返って後ろの人を押したりしていても気づかない。
さらに,電車から降りて荷物を背中に背負い直す際も,ヒジをすぼめてコンパクトに動く人は稀で,いきなりヒジが突き出てくることが多い。後ろをまったく見ずにカバンを振り回し背負いするので,危なくて仕方がない。
かつて、ソニーウォークマンで自分の世界に入っていた若者は、ヘッドホンだったのですぐに見当がついた。しかし、今のスマホはインナーイヤーイヤホンなので、見た目ではすぐに判断できない。もはや諦めるしかないのかもしれない。