リュックを身体の前に“背負う”という筆者にとってはまったくの非常識なのだが，世の中ではまかり通っていることに改めて反論することにする。もちろん、「好きずき」な面もあるが、他人に対しても問題があるとともに，前背負いしている人自身に対してもおかしなところがあると思うからである。
まず、メリットと言われる点をまとめる。これは背中に背負うことのデメリットの反論だという。つまり，背中にリュックを背負うと，リュックが後ろ人に当たって迷惑をかけているのに気づかないから問題だというのだが、これは反論にはなっていないと思う。
では、前に“背負う”と、前の人の迷惑にならないかといえば、そんなことはない。前の人をギュウギュウ押していることに変わりはない。
押している相手が前にいるならば、迷惑をかけているかどうかが分かりやすいからいい，というのが前背負いの大きな理由である。しかし、今どき、リュックを前にしていても、スマホに集中してしまう人が大半である。自分のリュックが前の人を押していることなど気にしない。おまけに、リュックの上にスマホを固定して画面に集中し、操作に集中するので、ちょうど前の人の顔のところにスマホと手、ヒジが来ることになる。電車が揺れてもスマホに両手を使っているので吊革で身体を支えることもしない。
特に背の高い男性が前リュックをすると、背の低い筆者や女性にとってはちょうど顔の高さにリュックがあることになる。当たらないように配慮してほしいが，まず期待してもムダである。
リュックを“手に持つ”関西鉄道キャンペーンは全国展開してほしいが，もっと具体的に「足元に置く」と言うべき - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/2/28 こんな嬉しいニュースが入ってきた。あれから半年近く経つが，おそらく改善はしていないと思われる。歩きエスカレーターをやめようという話は，埼玉県のように条例を定めたにもかかわらず，まったく効果がない（埼玉県でエスカレーター歩行禁止条例 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/10/4）。福岡はその後どうだろうか（福岡でエスカレーター立ち止まりが先に実現--埼玉は結局できないのか - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/11/16）。
さて，前リュック背負いが，他人だけでなく，自分にもおかしな行為であると思う点を書いてみたい。1つは，重さに対して腹側と背中側のどちらに背負うのが楽かという問題で，これは明らかに背中に背負った方が身体への負担は少なくて済む。前にあるモノを持ち上げようとすると，腰への負担が大きい。ぎっくり腰もたいていはこの格好である。
もう1つは，前リュックでは胸や腹への圧迫による影響が大きいことである。胸式呼吸でも複式呼吸でも，常に身体の前面は大きく動く。そこを前リュックで拘束してしまえば呼吸が浅くなり，身体にとっては良くないと考えられる。
また太った男性ではお腹に，また女性では胸に，荷物が押しつけられることによる負荷も問題があると考えられる。特に女性の場合は，下着の型崩れや胸の形の崩れなどが起きてしまうのではないかと心配している。
筆者にとっては，肩掛けカバンをタスキ掛けして持つことも嫌いである。肩掛けの紐がちょうど胸の前を斜めに走ることになり，呼吸が苦しいと感じるからである。普通に背中にリュックを背負った場合は，呼吸が楽にできると感じる。
以上が，繰り返しになるが，前リュック背負いをやめてほしいという筆者の理屈である。とにかく，最近の人の荷物はデカすぎる。何が中に入っているのだろうかと思える。またやたらに重いので，背負い直す際に振り回したリュックが当たると致命的に痛い。たしかに，背中に背負う際に，後ろの人にリュックが当たる可能性は高いので，これは気をつけてもらいたいところだが，それは数秒気をつければいい話である。
「カバンは肩に掛けない」原則にしたい--車内のルールを改正 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/6/25 と書かせてもらったように，とにかく電車の中ではカバンは肩に掛けないようにすれば，いろいろな問題はほぼ解決すると思うのである。そのためには，床に置いてもカバンの底が汚れないようなアダプターを工夫する必要もあるかもしれない。4輪キャリーでリュックサックモード付き。国産品で格安のオススメバッグを紹介 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/2/25 で紹介したリュックは，4輪が付いており，床に置いてもカバンの底が汚れないという点でも，実に優れているので，オススメしたい。
