jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

オレはノイマン型でいい--今のパソコンで逐次処理をするのが性に合っている

ノイマン型コンピュータという言い方がある。いわゆる普通のコンピュータである。あらかじめ主メモリーにプログラムを展開しておく「プログラム内蔵方式」と,命令を一つずつ取り出して、順番に実行していく「逐次制御方式」という特徴を持っている。

    この処理速度を上げるために、さまざまな手法が使われる。1つは1処理にかかる時間を短くする方法で、プロセッサ(CPU=Central Processing Unit)のクロックを速くすることである。

    次に、複数の処理を続けて実施するパイプライン処理が導入された。さらに処理するプロセッサを複数並列に並べて並行処理させる方法が開発された。現在のWindowsパソコンでCoreと名前の付いているのがこの並列プロセッサであり,個数を表している。この世界はアメリカのIntel社の得意分野で,パソコンのCPUのほとんどがIntel製だった。Macintoshでさえ,Intelのプロセッサを使っていた。もちろん,すべて並行処理ができるわけではないので,5倍や7倍にスピードアップできるわけではない。

 ところがこのプロセッサで画像処理をしようとすると,端から順番に処理していかなければならない。特に液晶パネルのようなマトリックスで表示するディスプレイでは,全面を同時に処理することが望ましい。こうした2次元平面の同時処理能力に優れたプロセッサがGPU=Graphical Processing Unitである。このGPUを搭載した画像ボードを販売していたのが,NVIDIA社である。しかも,ほとんどのパソコンではGPUは使われず,ゲームPCや画像処理PCなど,動画を高速に表示させる目的のPCのオプションとしてグラフィックボードを追加してきた。メインの計算はCPUの世界だった。

 2023年に登場したChatGPTというAIソフトは瞬く間にPCの世界で広がっていった。AIの場合,言語処理や推論といった処理に2次元的な計算をする必要があり,CPUよりも並行処理に優れたGPUが主に使われるようになった。これによりIntel社は後退し,NVIDIA社がいまや世界第1位の資産価値を持つ企業になってしまった。

 さらに,このAIによる言語処理に特化したLPU=Language Processing UnitというプロセッサをGroq社が開発し,攻勢を強めている。GPUで言語のAI処理をするスピードの数十倍の性能だという。

 人間が記憶をするのに,まるで写真を撮影するかのように一瞬で全体を覚えてしまう能力のある人がいる。まさにGPU的な処理である。一方,筆者のような凡人は,順番に覚えなければ覚えることはできず,1つを覚えたら前の記憶が消える,というようになっている。コンピュータでいうとまさにノイマン型である。

 しかし,その方が人間的でいいかなと思ったりする。同じように,コンピュータにいろいろな処理をさせる場合,逐一,順番に命令して処理させるロジックの方が,構築しやすい。

 すでにAIを標準で搭載したパソコンも登場している。AIを使うことが前提なので,その処理に適した性能を持つことが望ましい。しかし,今現在のAIの使い方はおかしい。人間の創造的な仕事である「文章を書く」ことや「絵を描く」ことをAIに勝手にさせている。その書かせる命令であるプロンプトの書き方が重要だ,といってプロンプトづくりに頭を使っている。これは本末転倒以外の何物でもない。それこそ,プロンプトをAIに作らせればいい,ということになってしまう。

 途中でロジックを間違える方が人間的でいい。筆者は従来どおりのパソコンでの処理にこだわりたい。むしろ,これまで3次元シミュレーションや時間軸を加えた4次元シミュレーションに使っていたスーパーコンピューターの分野が,GPUでより高速にできるようになればいい。そして,地球温暖化や紛争問題などの課題にAIが活用されることを望みたい。