jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「Windowsのクラウド化」に個人的には期待するが,下手すると大パニックになる危険も

Windows 365 に出会う | Windows 365 というMicrosoftのホームページがある。Windowsクラウド上で動かしてしまうという企業向けのソリューションである。

 筆者がパソコンに出会ったのが45年前。最も初期のパソコンである。OSはもちろんWindowsではなくMS-DOSである。今から考えると画期的なのは,まずフロッピーディスクからOSであるMS-DOSを起動させることである。パソコン本体はシャープ製のZ80で,「グリーンコンピュータ」と呼んでいた。モニターの表示が黒地に緑色の文字だけのキャラクターディスプレイで,そのためのグリーンと思っていたが,どうも「常にまっさらな状態からスタートする」という「クリーン」に掛けたのではないかと今では思ったりする。

 その後,現在のWindows11搭載パソコンに至るまでこれまで何台のパソコンを乗り継いできたことだろうか。長くて5年,短いもので2年ぐらいで買い替えが必要だった。OSが改良されるたびにパソコンの能力が足りなくなる。半導体の性能が加速度的に向上することで,乗り換えた後のパソコンはまったく使われなくなってしまった。

 OSのクラウド化により,少なくとも4年ぐらいは自動的にアップデートされることで苦労なく使い続けることができるようになることが期待されるし,仮に乗り換える場合も,電源を入れてクラウドにログインさえすれば,以前の作業がそのまま続けられるはずである。

 かつてこういう仕組みは「シンクライアント」と呼ばれていた。端末はサーバーと通信して情報を表示するだけの機能しか持たせないことで,情報の持ち出しなどの危険を防ぐことができた。ただ,サーバーを各企業が管理する必要があり,そのメンテナンスも各企業が行う必要があった。システム部を持てる大企業しか使えず,しかも時代の流れが早すぎて,システムが陳腐化してしまう速度も早かった。個人単位のパソコンの進化があまりにも早すぎたのである。

 しかし,いまやパソコンにAIが組み込まれる時代になり,インターネットとの連携は不可避になってきた。ならばOSもクラウド化,サーバーもクラウド化,AI処理もクラウド化できる時代なのかもしれない。

 検索エンジンgoogleに先を越されたMicrosoftが,Bingで巻き返したと思ったら,今度はNvidiaがAI処理に優れたGPUで一気に世界一の資産企業になり,CPUを独占してきたIntel-Microsoft軍団の影が薄くなりつつある。そこで,Windowsの顧客を囲い込むためのクラウド化戦略と見ることもできるだろう。

 個人的には,Windowsのアップデートのたびにデータをバックアップし,OSをセットアップする作業はワクワクすると同時に苦痛だった。データのコピーに何時間もかかる。たまにパソコンが不調になったりすると,何もできなくなってしまう。OSをクラウド化してしまえば,少なくとも起動はできるし,データもサーバーや外付けハードディスクあるいは外付けSSDで運用すれば,端末さえ入れ替えればまったく同じ環境で動かすことができる。

 物理的な問題があるとすると,このクラウドが一気に停止したり破綻したりしないかどうかという点と,通信容量の増加とそれに伴う情報流出,そしてMicrosoftの顧客囲い込み作戦への抵抗かもしれない。クラウドが現在もすでにバーチャル化し,OSどころか仮想マネーや仮想マーケット,そして仮想(闇)市場と膨張し続けており,事務処理が中心のパソコンではなく,エンタテインメントの画像処理や音声処理,さらにAIがクラウドの支配を強めている。それに伴う犯罪も拡大し,それぞれが秘匿性の高いネットワーク上に構築されるため,無法地帯になってしまっている。個々の営利企業がそれぞれの勝手なルール=法律で運用できるので,犯罪と考えられるような行為も簡単に行われてしまう。

 リアルな世界でも,銀行や証券会社,税務局といったお金を扱う組織の中で犯罪が行われる時代になっている。モノづくり企業が,検査の不正を働いて不良品を世の中に出すという考えられない時代である。せっかく作った仮想マネーという世界も,マネーロンダリングに使われたり,あるいは第三国がハッキングして資金調達源になったりする。ネットワーク上の犯罪を監視する仕組みも存在しない。

 クラウドのデータセンターを運用するために電力が足りないからと,データセンターに隣接して原子力発電所を作る,というおかしな事態にもなりつつある。再生可能エネルギーでは賄いきれない。人類の暴走はどこまで続くのだろうか。

 イスラエルヒズボラの停戦が実現に向けてようやく動き始めた。だれが英断したのかはわからないが,逆におかしな方向に進む危険性もはらんでいる。このまま停戦してほしいし,ウクライナ紛争もこれにならって停戦してほしいと願っている。この2つの紛争がとりあえず終わらない限り,地球温暖化を止めるという人類に突き付けられている課題に取り組む体制ができないからである。この暴走を止める知恵をAIが学習してくれれば,紛争もクラウド犯罪もそして地球温暖化も解決の糸口がつかめるかもしれない。