jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

日本から液晶製品がなくなった--こんなキーホルダー型クロックが中国製で2000円

かつて,時間を知る方法は腕時計しかなかった。腕時計の動力源は,かつてはゼンマイで手巻き,あるいは腕の振りを利用してゼンマイを巻く“自動巻き”と呼ばれる方式と進んだ。その後,動力がモーターになり,動力源は電池になった。その電池も,ボタン電池から太陽電池と充電池の組み合わせに発展した。

 表示は,アナログの針を回転させる方式から液晶パネル方式が増えた。

 クオーツ方式で従来よりも正確な時刻が刻めるようになったが,その心臓部のクオーツ(水晶振動子)の加工技術でも,日本が世界でピカイチだった。アナログ式,デジタル式のいずれも,ムーブメントと呼ばれる腕時計の心臓部のメカニズムあるいは回路技術は,日本が世界をリードした。一方で先輩格のスイス時計は手作りにこだわり続け,高級品,ブランド品のみの製品戦略になった。

 しかし,時計のムーブメントの主力は,香港や中国に移った。日本の時計メーカーのセイコーシチズンは,スイスと同じ高級路線にのみ活路を見出している。低価格製品は,もはや中国製品に対抗できない。

 かつて液晶腕時計で一世を風靡したカシオ計算機ですら,「G-Shock」以外はほぼ消えた。電波時計太陽電池パネル時計もあるが,購入する人はほとんどいないのではないか。腕時計としては,Apple Watchなどのスマートウォッチが主流になりつつある。時間を見るというより,SUICA/PASMOリンクで改札口でタッチする目的が中心だろう。時間を見るのはスマホ,という人がほとんどだと思われる。

 かつて,ガラケーではサブディスプレイで時計表示されていた機種もあり,電源を入れなくても時刻はすぐに確認できた。しかし,スマホでは電源を入れて画面表示しなければ時刻が分からない。

 しかし,もはや日本国内ではあらゆるサイズの液晶パネルが作られていないと思われる。テレビクラスの大型パネルや,PC用・タブレット用の中型パネルは,中国,台湾,韓国で,スマホ用の小型パネルは台湾が圧倒的に強いだろう。そして,デジタル時計や電卓などに使われていた8セグメントの反射型液晶パネルは,もはや中国でしか作られていないだろう。

 100円ショップで販売されている液晶表示のクロックやウォッチは,中国製である。しかし,時計表示機能だけのミニ時計は,以前は100円ショップでも売られていたのに,今はどこを探しても見つからない。

 腕時計タイプでもなく,スマホの電源を入れずに,時刻を知る方法として,ミニ時計が欲しくなった。キーホルダー型の時計があるといいと思った。しかし,これがどうしても見つからない。結局,検索してみるとAmazonで中国からの直輸入で1個2000円という製品しか見つからなかった。

 

キーホルダー型のデジタル時計

 相変わらず,中国からの発送は日数がかかる。今回も予定は2週間だったが,なぜか1週間で届いた。長さ6cmと思ったよりもサイズは大きかったが,軽いので邪魔にはならないように思える。機能としては,時計だけ。ライトがついて暗闇でも表示が見えるが,それだけである。もはや,この手の製品の需要はないのかもしれない。

 日本の製品から多様性がなくなった--面白くて安く,多様なモノを産み出せる中国のすごさ - jeyseni's diary (2024/12/13)でスマートリングを試したことを書いたが,やはりかなり特殊な感じでいきなりお蔵入りになっている。今回のキーホルダークロックは,スマホカバーのストラップに取り付けた。あまり目立たずに使えそうである。

 かつて,カード電卓を量産してきた日本メーカーだが,ミニ時計などにはもはやまったくニーズがないのかもしれない。