家族でウエアラブルツールで健康管理をしたいというニーズが出てきた。血圧,血糖値,血中飽和酸素濃度,そして睡眠の質などをできれば24時間,操作なしに管理したいという。
スマートウオッチが,それに一番近いソリューションである。皮膚に何等かの光を照射して血糖値まで計測できるという製品も登場した。現在最もユーザーの多いApple Watchも,次の製品に血糖値検査機能を載せるという噂もある。
筆者は,新型コロナの初期に,発熱の早期発見とともに,血中飽和酸素濃度計が世の中に足りないということを聞いて,スマートウォッチを導入した(スマートウォッチ購入。体温・血中酸素濃度をモニターへ。 - jeyseni's diary 2021/2/4)。家族が次々に新型コロナに感染した時期は,最初に感染した娘のところに保健所から届いたパルスオキシメーターを回して使っていた。筆者自身は感染を免れたが,状況が悪くならないようにこのスマートウォッチで管理していた。精度もほどほどで,一生懸命歩いたときの酸素濃度が低くなることも確認できた。
しかし,10年前から腕時計を装着しなくなった筆者としては,スマートウオッチも気になってしまった。これまで同様,通勤などの移動時には装着するが,オフィスでは外してしまい,また帰宅時に装着し,自宅では付けたり付けなかったりする。特に寝るときは必ず外してしまうので,夜間の睡眠測定は役に立たなかった。健康管理を前面に押し出しているAppleWatchにしても,寝るときまで着用している人は少ないのではないか。
そこで登場してきたのがスマートリングである。指輪型のウエアラブル機器で,体温,心拍数,血圧,血中酸素濃度などを測定し,スマホに情報を伝えて記録する。健康管理が中心で,いくつかのカード決済には対応している。しかし現時点でSUICAやPASMOなどのフェリカカードには対応していないので,改札口を通ることはできないのは残念である。それでも,防水機能はほぼ標準で対応しているため,風呂を含めて1日中,着用することができる。寝るときもほとんど気にならないはずである。
「これは欲しい」と思うのだが,1つ不満なのが,時計表示ができるモデルがないことである。光る必要はないので,かつてのカード電卓で使われたような反射型のフィルム液晶パネルでもいいし,もっと複雑な表示ができる電子ペーパーでもいい。これを指輪の表面に曲面に沿って貼り付けて表示できれば十分である。
指輪なので装飾的な意味もあるので,時計を常時表示する必要はないし,常時表示するなら指の内側に表示すれば済む。ちょっと時間を確認したいときに便利なはずなのである。
もし電子ペーパーを使うのなら,白黒の模様を複数登録しておけば,デザインを変更することもでき,意外に恰好いいリングができるはずなのである。かつてガラケー時代に,ボディー表面全体に電子ペーパーを採用して,模様を切り替えられるモデルがあったのを思い出す。
指に着ける指輪型時計もいくつか発売されているが,あまりにも見た目がはっきりしすぎているし,機能的に時計でしかない。それもつまらない。
健康管理のできるスマートリングに時計表示のできるモデルを探しているが,いまのところ見つかっていない。ぜひ開発してほしいのだが,どうだろうか。
【追記】
中国サイトを見ると,いちおう時計表示のできるスマートリングも販売されている。日本でも,おそらく同じモデルがAmazonで1種,楽天で1種販売されている。LEDによる時計表示のようで,今一つ食指が動かない。さりげないモデルがほしいところである。