jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

初任給30万円だの33万円だの狂気の沙汰--教育の無償化も格差拡大につながる

いよいよ、高齢者受難の段階になってきた。すでに契約社員状態でボーナスもない状況で、最低時給での契約提示がされることになった。

 東京の最低時給は、2024年に1163円になっている。1日8時間、年間平均勤務日数が252日で計算すると、年収234万4608円、月収で19万5384円になる。勤務時間や日数を減らせばさらに下がる。

    2025年の新卒の月給で30万円や33万円が提示される。人材を集めるためだという。団塊の世代にとっては課長級の給料である。そんな額につられて入社する者にろくなのはいないと思うし、結局3年もしないうちに半分が辞めていく時代である。雇う側も雇われる側も賭けである。

 一方で,企業の中心を支える社員は,やる気を失うことが考えられる。何しろ,引き継ぐ若手の方が収入が多くなるからである。可処分所得も若手の方が圧倒的に多い。片や子育て世代では出費も多い。精神的なダメージを受けたり,イバラの道とはわかっていても辞めていく人も増えるのではないだろうか。

 高校生までの授業料無償化が叫ばれているが,低所得層にとっては正直,焼石に水であり,逆に高所得層にとっては塾費用への転嫁などが可能となり,格差の拡大につながるという自民党の主張の方が正論と見える。

 所得税の控除として扶養控除があり,扶養する子供の人数分は所得から差し引いて課税対象額になる。しかしその分を授業料として払っているのでチャラになる。一方で,私立学校の授業料も実質ゼロにすることで,私立と公立のレベル格差もさらに広がる。レベル(と言っても,受験対策教育のレベルだが)の高い私立校に人が集まり,公立校に人が集まらなくなる。おかしなことである。ただ,これまで金持ちを相手にしてきた私立校に低所得層の子供も入ってくることになり,私立校としては賛助金や寄付金などの仕組みをやりにくくなることも考えられる。

 新人を高給で迎えるなら,中間年齢層には別の形のインセンティブを用意してやる気を維持してもらうように経営者は配慮すべきだと思うのである。さらに,定年延長や雇用延長で会社に留まっているベテラン層の仕事を,売り上げなどから正当に評価すべきだと思うのである。でないと,新人が数年で転職,中間層は離職,ベテラン層は発展性なく居続ける,という人材の墓場になってしまう。

 近年,起きている企業のさまざまな不祥事は,社員のやる気の低下にあると考えられる。達成感や達成に対する評価もなく,「雇って給料をやっているのだから,働いて当たり前」的な思考を経営者も労働者も持っているとすると,そういう企業は長続きしないと思うのである。