jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ファイルメーカー「命」

筆者のパソコン歴は45年である。大学生の時にはまだ自前のパソコンは持っていなかった。大学の研究室では,指導教員はNECのパソコンを使っていたが,学生は大型コンピュータでFORTRAN言語で計算式の解析に動かすか,TSS(タイムシェアリングシステム)で大型コンピュータの端末として利用するだけだった。

 就職して,会社のパソコンクラブに入った。シャープのグリーンパソコンZ80で初めてパソコンでBASIC言語でプログラムすることを楽しんだ。当時の画面は黒バックの緑文字。もちろん日本語は使えなかった。家でも使いたかったが,プログラム電卓に毛の生えたような「ポケットコンピュータ」を購入して,遊んでいた。

 仕事がら,最初は原稿用紙に手書きしていたが,そのうち会社に日本語ワープロが入り,これがパソコンに変わっていった。日本語ワープロソフトでの原稿書きが始まった。個人でも日本語ワープロを購入したが,当時は20万円を超える高級品だった。

 1988年にアメリカに1年留学したときに,むこうでIBMのパソコンを買った。大学でのレポート作成のためと,日本との連絡用と思ったのだが,日本語が使えないパソコンだった。この時,表計算ソフトのLotus 1-2-3と出会い,パソコンの威力を認識した。

 1995年のWindows 95で,画面サイズ8.5インチの東芝Libretto 50を購入。Windowsの世界に入ったのだが,98年に仕事の都合でMacintoshを使い始めた。その時,出会ったのがカード型データベースソフトのファイルメーカーProであった。

 当時のバージョンは2.1。カード型データベースと呼ばれるように,名刺や住所管理のように複数のデータを同じフォーマットで整理するのに適したソフトである。

 これにバージョン6でリレーショナル機能が加わった。複数のデータベースをキー項目で照合することで,たとえば宛名印刷のデータと住所録のデータをリンクすることができる。Excelではvlookup関数を使うところが,実に簡単に整理できるのである。

 現在,筆者が使っているのがバージョン12である。最新バージョンは16なので,かなり離れてしまったが,このバージョン12からファイル形式が変わって現在に至っており,個人で使うにはそれほど不便なことはない。ほかの人のためにプログラム開発するわけでもないので,バージョンをそろえる必要もないと思っている。

 リレーショナルデータベースでは,Microsoft Accessが個人用としても使えるが,使い勝手はファイルメーカーの方が全然楽である。ファイルメーカーのいいところは,処理手順を自動的に再生できるスクリプトがついていることだ。プログラムではなく,手順を登録して並べるだけで,やりたいことがほぼ何でもできる。

 テキストを作成したり整理したりするのは,Wordの方が得意である。Wordにもマクロ機能があり,いろいろな処理を繰り返ししたりする自動化はできる。処理動作を自動記録させ,これを再生することで,同じ動作の繰り返しができるが,その内容を分析するのは素人には難しい。インターネットで検索すれば,やりたい処理のマクロプログラムを見つけることができるが,中身の解析はほとんど不可能。うまく動かなくても,どこが悪いのかわからない。

 一方ファイルメーカースクリプトは,手順を組み合わせるだけの単純操作なので,不具合も比較的簡単に修正できる。しかし,プログラム言語のように細かい指定ができないのは欠点である。

 もう一つ,テキスト処理で弱いのが,「正規表現」が使えないことである。正規表現で検索パターン,置換パターンを登録できると,できることが一気に増えるのだが,これができない。外部関数があれば登録して使いたいのだが,今に至るまでまともな外部関数がない。

 検索置換であれば,たとえば数字一覧,かな一覧,漢字一覧を別ファイルで管理して,これを繰り返し適用する方法が使えそうだと思い,最近ある程度実現できた。これを使って,ワードの読み,ですます-だである変換,そして重要語の抽出などを実現できた。

 これからも,もっといろいろな処理に挑戦していこうと思う。