jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ニオイセンサーは新型コロナウイルス探知には使えませんか

コロナ探知犬いよいよ、非常に高い成功率、研究 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト (nikkeibp.co.jp)新型コロナウイルスの患者を嗅ぎ分ける探知犬の話題は,ずいぶん前からあった。海外では専用に訓練も始まっており,タイのバンコクで実働も始まった タイで「コロナ探知犬」デビュー、無症状でも特定の化学物質をかぎ分け(ロイター) - Yahoo!ニュース 2021/5/24。

 イヌのニオイ識別能力は,昔から警察犬で実証されており,災害時の救助犬や空港での麻薬探知犬などが活躍している。欧米やアジア諸国では,積極的に探知犬の訓練が行われているようである。

 一方で,日本の空港の検疫は「ザル」と言われても仕方がない。もちろん,検疫官も一日中緊張の連続の中で,不審物の国内持ち込みや海外持ち出しがないかを見張り,検査をしている。しかし,今回の新型コロナウイルスの検疫については,やはりザルと言わざるを得ない。最初の中国からのオリジナルウイルスのときも,イギリスの変異ウイルスのときも,さらにインドで発生した二重変異ウイルスのときも,最終的には空港検疫で入国を阻止できなかった。特にイギリスの変異ウイルスは「N501Y」という名前で呼ばれているが,この呼び方がワイドショーのMCやゲストすら口をついて出るほど当たり前になり,国内のウイルスの9割がイギリス型に変わったほどだという。水際作戦の失敗である。

 海外のテレビ番組で空港検疫での怪しげなやり取りが放送されている。態度がおかしいとか,いかにもそれっぽく見えるとか,そして麻薬探知犬が反応したなどの場面で,容疑者との丁々発止のやり取りがされているのが分かる。一つ間違えば暴力沙汰,あるいは銃の発砲の可能性もないような緊張した場面である。大変な仕事だと思う。

 日本の空港検疫でも,大量の麻薬が押収されることがあるが,おそらくその発見は半分以下なのではないだろうか。常時持ち込まれる疑いのある中南米や欧米に比べて,違法持ち込みの件数そのものが少ないこともあり,残念ながらスルーしているケースも多いように思える。

 その麻薬探知のために,日本の空港では電子技術を駆使した“秘密兵器”が設置されている。ニオイセンサーによる分析ができる装置である。服についた微量な麻薬成分でも,即座に検知できる能力があるという。

 しかし,このニオイセンサーを使うには,かなり疑いがあることを検閲官が見抜いてから,その証拠固めのために使うような流れになっている。設置場所も,検疫場ではなく,そこから離れたところに設置されているようだ。おそらく,管理も慎重に行い,運用コストも相当かかるため,おいそれと使うわけにはいかないようである。

 麻薬探知犬は,入出国で列待ちしている人の間を歩き回りながら,瞬時に異常なニオイを嗅ぎ分け,捜査員に教える。それだけ敏感であり,忠実に仕事をこなす。おそらくほぼ全員の周囲を嗅ぎ回り,検出をしているのだと思われる。

 警察犬や麻薬探知犬は,犯罪捜査という観点で組織的な育成がされていると思われるが,阪神,東日本と2度の大きな災害を経ても,災害捜査犬の育成はおそらくほとんどできていないのではないかと思われる。新型コロナウイルスの探知犬にしても,日本での育成は正直言ってまったく期待できない。だれも研究もしようとしない。

 それなら,ニオイセンサーをこの新型コロナウイルス対応に研究することが,日本がいまできることではないのだろうか。「新型コロナウイルス ニオイセンサー」で検索すると,たとえば東北大の開発方針のニュースリリースが引っかかる 新型コロナウイルスの監視・検出センサシステムの開発... | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY- 2020/11/25。新技術でなくても,既存のニオイセンサーを応用して結果を分析して対応することもできないのだろうか。

 筆者は,全員抗原検査による公共交通機関,飲食店,イベント会場などの閉鎖空間への入場時に陽性者をふるいにかける方法しかないと提案している 入店前の全員抗原検査で「酒の提供」「酒の要求」「酒の販売」を丸く収める - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/5/27。入場前に現在行われている体温測定のレベルまで,このニオイ測定が簡略化する必要があると考えると,コロナウイルス探知犬を見出して,とにかくまず空港検疫に活躍してもらうことを早急に実現してもらいたいと思う。あるいは,ニオイセンサー,味覚センサーなどの先端技術を駆使してもらいたい。