高齢者のワクチン2回接種による感染リスクの低減効果が,1/15になった,という厚生労働省の調査結果が発表された ワクチン2回接種済み高齢者の感染率15分の1に 厚労省のデータ解析で (msn.com) 2021/7/21。そもそも「○○をすると感染リスクが上がる」とか言われ,マスクの着用やソーシャルディスタンシング,手洗いの励行などが進められているが,これも数字のマジックのような気がする。
COVID-19における感染リスクは,統計では人口10万人当たりの感染者数で示されてきた。2021年5月~6月のNHKの記録の数字 人口10万人当たりの感染者数の推移|新型コロナウイルス|NHK を見ると,日によってバラつきが大きいが,東京でも千葉や埼玉でも,少ない日は0.3人,多い日で2.0人といった数字になっている。ざっと平均すると10万人当たり0.5人となる。これが1/15になるとすると,0.03人ということになる。
1日あたり1人の感染者が出るのが平均で20万人で,これが300万人になるというのだから,たしかに絶大な効果があるように見える。東京都民1000万人とすると,通常で1日あたり50人の感染者が,3.3人になる勘定である。7月の感染者は1000人なので,すでにその前月の20倍に拡大している。67人と,通常レベルまで抑えられているということになる。現在の感染者の7割が20台,30台の若い人なので,ワクチン接種が順調に進んでいれば第5波は抑えられている可能性は高かったといえる。
やはり,他の先進国に対してワクチン接種が遅れたことによる感染拡大が,現状では進む可能性があり,しかも他国に比べて死亡リスクも高い可能性が高い。
これを受けて,若者への接種の加速を進めなければならないが,残念ながらオリンピック期間中に感染リスクを抑えることはできないだろう,ということになりそうである。少なくとも,オリンピック選手はワクチンの2回接種をしていることが前提なので,死亡リスクには至らない,ということか。