jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「死亡率」「病床使用率」などの%表示や「1日の感染者数」は,まやかしの数字

「日本の新規感染者に対する死亡率は低い」(日本ECMOnet理事長の竹田晋浩医師)2021/8/22 という発言が,菅総理との会見で出たという。この人も特権階級意識の持ち主なのかなと思ってしまった。国民が次々とCOVID-19コロナウイルスに感染してまともな治療環境を与えられないトリアージュを受けて,その中で不幸な死を迎えている現実から,世の中の視線を外そうとしているのではないかと疑ったりする。

 一方,毎日発表される「1日の感染者数」という数字も,入院,療養,治療の体制が整わない中では,まやかしの数字になっている。

 東京のCOVID-19の入院患者数と自宅療養者数のグラフを見ると,愕然とする。

新型コロナウイルス 東京都のモニタリング項目|NHK特設サイト

 入院できる病床数が微増なのに対して,感染者数は累積している。つまり,入院できている人も自宅療養している人も「すべて患者」なのに,適切な治療や管理体制の下に置かれていない患者が東京で2万5000人,全国で10万人近くいるということである。ステージの判断となっている「病床使用率」も,50%以上がステージ4というと,まだまだ空きがあるように見えるが,実数はたとえば「残り20床」しかない,という状況である。ここに「1日の感染者数2000人」が押し寄せれば,まったく対応できる状況にないことは明らかである。なぜ,残り病床数の実数と,1日の感染者数を対比しないでいるのか,2021/1月の病床逼迫のときから指摘しているのだが,理解されていないようだ。マスコミも「過去最高」「過去最高」と言っているだけである。

 野戦病院でも,救急病棟でも何でもとにかく,医療者の近くに患者を集めて,集中的に管理できる体制が必要と言っているのに,実現できていない もはや「蜘蛛の糸」状態。行政から一般国民への糸は無い状態 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/8/20。これで,「新規感染者に対する死亡率が低い」などと平気で言える神経が理解できない。

 「1人の命」について言及したのは,1人の命を考える - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/10/7 のことである。当時のブログを見ると,世界全体で1日の死亡者が5000人,日本で10人,という数字が見える。現時点で,1日の死亡者数は世界全体で10000人,日本は25人である。「それほど増えてないじゃないか」と見る人もいるだろうが,単純計算で1年で400万人が亡くなっていることになる。日本でもこれまでに1万5000人が亡くなった。数字からすると「思ったほどではない」とも見えるが,1人の人間が亡くなるという命の重さまで考慮されていない。

 数字を知ることは大切だが,数字にごまかされてはならない。