jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

風邪より酷い「COVID-19患者」の「自宅療養」の「経過観察のみ」という取り扱いは「患者ではないと見られている」のと同じ

風邪に特効薬はないが,さまざまな対応策がある。発熱,咳,痰,などの対症のクスリがあり,栄養を取る,暖かくする,休養を取る,などの対策でほぼ1週間で回復する。それでも,医療機関に受診したり,薬局に行ったりして,すぐに対応してくれる。基本的に自宅療養で回復する。

 インフルエンザは,検査法も特効薬もできた。医療機関では,通常の診断とは別ルートで入室し,検査を受け,特効薬を処方されて,自宅での5日間の自己隔離でほぼ回復する。

 COVID-19は,まず「症状が出た段階で医療機関を受診できない」。患者なのに患者としてみてくれない,というわけである。保健所に連絡を取り,PCR検査を受け,その結果によって感染がようやく証明されても,現時点ですでに専門医療機関で入院・治療を受けられるのが1/3。東京でいうと1万5000人である。残りの2万5000人は「自宅療養」を言い渡される。

 自宅療養といっても,単に「経過観察」だけである。これは「患者としてみてくれていない」ということと同じである。しかも,保健所からの経過問い合わせは良くて1日1回。具合が悪くなれば保健所に連絡を取る,という患者任せの「自己観察」で,解熱剤も自分で調達しなければならない。パルスオキシメーターの貸し出し制度はあるが,現時点ですぐに手配されない。

 風邪であれば,対症療法であっても自宅療養で症状は基本的に収まってくる。こじらせても医療機関がサポートしてくれるし,最悪でも一般病棟に入院するという手がある。入院率は1万人に1人ぐらいだろうか。

 しかし,COVID-19は,自宅療養で良くなる人が8割だとしても,だれが悪化するかは分からない。基礎疾患がなくて,ワクチン接種をしていた人でも,症状が悪化する人がいる。しかも,症状が悪化しても現時点で保健所経由で救急車が手配されればいい方で,手配されても入院先が見つからない状況がすでに起きている。酸素ステーションも,東京でわずか130床。2万5000人の2割,5000床は,症状が悪化する可能性があるのだから,これからまだ自宅療養者が増える中で,10000床は少なくとも確保する必要がある。同時に,それに連続する入院病棟も10000床は必要ということになる。

 本気でステーションと病床を作るか,人流を実力行使で完全に止めるか,する必要があると思うのだが,なぜ「何の行動も施策も行われない」のか,失望を通り越して空虚感を覚えるのである。