jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

COVID-19死亡者ゼロにならない限り,重症病床は医療崩壊寸前の状態は変わらない

 「東京都 新型コロナ 15人死亡 1242人感染 1週間前の半数以下」(2021/9/10のNHK Online)。なぜマスコミは,いつまで経っても,1日の感染確認者数の動向と,死亡者数しか伝えないのだろうか。

 医療現場が逼迫している状況は,想像を絶する。COVID-19による死亡者は,基本的には「重症病床」で亡くなっている。重症病床の患者数は微増傾向にあり,一向に減らない。ということは,重症病床で亡くなった分,中等症病床から容態の悪い患者が重症病床に移され,人工呼吸器やECMO(人工心肺)などで治療を受けるが,その甲斐もなく,回復するよりも亡くなる方が多い。中等症病床はモニターで管理されることも多いが,重症病床は多くのスタッフが24時間態勢で治療に当たる。休みなしでの治療で医療現場は常に崩壊の危機にある。今日は死亡者が少ないとか増えたとか言っているだけでは,医療現場の逼迫度合いを伝えていることにならない。マスコミはいつこれに気づくのだろうか。

 同じように,1日の感染確認者数が「増えた減った」と一喜一憂しているが,ここで1000人の感染確認者が問題なのではなく,この8割の800人が「自宅療養」や「調整中」として医療の管理化に置かれないばかりか,この自宅療養者の数字が着実に積み上がっていることを伝えなければ意味がない。

 自宅療養者数が減っているのは,たまたま中等症病床からの退院数が,新規の自宅療養者数より多くなっているために,減っているように見えるだけである。中等症病棟の退院数が毎日数千人と意外に多いのは,抗体カクテル療法などの適用で早期に症状が軽減したという医療現場の努力によるものである。

 はっきり言わせていただこう。マスコミはバカの一つ覚えのように同じ数字だけを追っかけて一喜一憂している。今回の緊急事態宣言が9/30まで延びて,医療現場の状況を反映して解除すると言われているが,基本的にまだその基準が明らかにされていない。本ブログを読み,自宅療養者数と中等症病床の関係と,重症病床数とそこからの死亡者数をきちんと報道し,医療現場の逼迫度合いをきちんと報道していただきたい。

 いい加減に目を覚ましてほしいものである。