jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ISSは観光地ではない--宇宙ビジネスはただちにやめるべき

ロシアのロケットで日本人が初めてISS国際宇宙ステーション)に行って12時間滞在するという話題である。

 さまざまな事業でカネ儲けをしたというが,一時は破産の話もあった。大金をロシア政府に支払い,ISSに行ってからも地上の視聴者に相当額のプレゼントをするという企画が進んでいる。

 筆者から言わせていただくと,ISSは宇宙における科学実験場という神聖な場所である。そこに大枚をはたいた一般人が土足で踏み込むことはショックである。

 ロシアが,自分たちの宇宙ステーションを使って何をしても構わない。現在,中国は独自に宇宙ステーションを構築中であり,いったい何をやらかすか気がかりだが,それはともかくとして,ISSは「国際宇宙ステーション」である。アメリカ,ロシア,そして日本もモジュールを持っており,科学者,技術者,医師などが,綿密な計画のもとに研究活動を行ってきた。

 そうした国際的な科学実験場に,一般人が行って見学するなどもってのほかだし,まして札束でその権利を買うような人物に許可するなど,ロシアも地に落ちたものである。日本人としても,こういう成金を表舞台に出してしまったことが恥ずかしい思いである。

 世の中,格差社会である。21世紀に入って格差はますます拡大している。一方で,地球温暖化は確実に進み,人類そのものの危機,生物そのものの危機が迫っている。

 そんな中で,「宇宙旅行」はまず大いなる無駄である。ロケットを1本打ち上げるために使うエネルギーと捨てられるロケット部品,それに関わる多くの人の人件費,設備の固定資産の償却費などを考えると,人類にとってまったく何の成果もないばかりか,大いなる茶番である。それをおもしろがって取り上げるマスコミもクズ同然である。心あるなら,こんな情報は無視すべきなのである。

 同じように,「宇宙ビジネス」を標榜するすべての事業者は,ただちに事業をやめるべきである。ほとんどの宇宙ビジネスがまずさまざまな人工衛星を打ち上げることになる。これが数年後にはすべて宇宙ゴミとなる。宇宙ゴミの回収は,現時点ではほとんど不可能である。破壊するとその破片がまたさらなる宇宙ゴミとなる。

 現在の科学者による宇宙研究も,もうそろそろ不要ではないか。月も火星も,そして小惑星も,そこから得られた知見で何か今の人類や地球にとって役に立つ事実はあっただろうか。ビッグバンから1秒の何万分の1の宇宙のことを考えるのは知的にはおもしろいが,今の地球には何の役にも立たないのではないか。地球そのものもまだわかっていない。地震の予測も天気の予測もまだできない。科学者はもっと足元を見るべきではないのか。知恵とおカネを自分の足元の未来の研究のために使うべきではないのか。

 ロケットに使う燃料は,液体水素と液体酸素である。これを制御して燃やせば,いわば「水素燃焼発電」ができるのではないか。