jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

河川の堤防は決壊と内水氾濫が必ず起きると心得よ--普通の雨でも雨量が2倍4倍という時代になった

おそらく,現在の日本の河川の堤防は,台風襲来の際の雨水の量を想定して設計されていると思われる。仮に伊勢湾台風クラスの台風が上陸しても,大雨の時間はせいぜい2時間程度。上陸後は時速50kmに速度を上げて,あっという間に通りすぎる。一時的に水位が上がっても川の流量が積算されることはなく,すぐにピークアウトして何事もなかったかのように戻る。

 ところが近年は,この台風級の雨が10時間,20時間と長時間続く天候に変わってきた。以前も集中豪雨はあったが,近年は県単位の広い範囲で何十時間も雨が降り続くことが多くなった。ちょうど,海を渡ってきた湿った空気が同じ場所で雲となって雨を降らせる形である。

 この海からの湿った空気の流入が線状になると,細長い地域で非常に強い雨が長時間降る線状降水帯になる。いわば小型の雨台風が次から次へと10数個つながって上陸してきたようなものになる。

 広域の集中豪雨でも線状降水帯でも,河川の流域全体に長時間にわたって大雨が降り続く。すると,中流域の増水に上流域の増水が加わって,一気に川の水量が増える。これまでの大型台風のように2時間だけ,中流域に降った場合を想定した堤防では,おそらく水量でも2倍に,そしてその増水の速さも2倍になる。

 さらに,上流からの流木,堤防の老朽化とヒビ割れ,土砂の緩みや流出により,当初の設計の水量であっても堤防が破壊され,決壊がどこでも起こりうる。土塁の堤防でも,コンクリートの護岸でも,崩れるのは一瞬である。事前に危険を察知していても,その決壊を止める方法はほとんどないに等しい。もはや土のうを積もうが,崩れ始めたらあっと言う間だし,その深さの水が一気に流れ出すので,決壊の幅も一気に10mを超える。周辺の民家に対しては,川底と同じ高さまでは水が街中にあっと言う間に溜まる危険性まで考えた方がいい。

 街中を流れる川で,その川が満杯まで水が流れたら住宅地に水が流れてくる。しかし,住宅の敷地の高さが川の上面より高ければ,仮に30cm以上の水面上昇になったとしても床下浸水どまりで収まる。堤防ではなく,敷地の高さより掘り下げた形だからだ。

 ところが,家から見て目線よりも高いところに堤防が見える場所だと,その堤防が決壊すれば堤防の向こうの川の水面が自分の家の目線のところまで来ることになる。かといって,いまさら住宅街をすべて盛り土をして川底より高くするのは現実的ではない。実施するとすれば,「決壊しない堤防」を作ることだが,矢板方式の河川堤防はいいアイディア。どんどん打ち込んでみてはどうだろうか。 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/8/27 で提案した鉄の矢板を堤防に沿ってどんどん打ち込むのがいまのところベストである。しかしそれも100%安全だとは言えない。

 堤防がある川は,仮に堤防が決壊しなくても,自分の家より高いところに水面が来る可能性があるわけなので,たとえば自宅からの排水は川には流れなくなり,川から逆流してくる内水氾濫が起きることは確実である。よく,風呂やトイレに水を入れたポリ袋を入れて逆流を防ぐことが紹介されているが,それで止まれば問題ないものの,川の水位が高くなればまったく意味のないことになる。本当に排水パイプを遮断しなければ,必ず逆流してくる。

 堤防のある河川は,いつなんどき堤防が決壊したり,内水氾濫を起こすか分からない,と決めてかかって,まず家の場所をチェックすべきだろう。平野から少し高台になった平な造成地が望ましいということになる。ただ,造成の仕方が山を切り崩していた場合は,今後は背後の山からの鉄砲水,山津波などの可能性を検討する必要があるだろう。

 利根川木曽川クラスの国が管理する一級河川でも堤防決壊は起きた。ましてや小さい川は,護岸工事の予算も付いていない。決壊するまでそのまま放置,というのが行政の判断だろう。そして行政側は,予測不可能な雨量,予測不可能な堤防決壊,という立場を押し通して,賠償責任から逃れようとするだろう。

今後,地球温暖化がさらに進むと,雨量は確実に2倍とか4倍になるというのが専門家の見方である。これまでの四季折々の風雅な天気予報では成り立たなくなっていると思う。なかなか安全な場所を探すのは大変かもしれないが,一生の家選びなので,じっくり検討した方がいいと思う。