安倍晋三元首相の国葬まであと10日となった。3連休にも入るし,国会は閉会中である。このまま,葬儀が挙行(いや強行)されることは,おそらく間違いがないだろう。
2021年7月の「東京オリンピック2020」も,新型コロナウイルス感染拡大の第5波の最中に,結局行われた。筆者は,外圧でもいいし,大会委員長でもある天皇陛下からの一言でもいいから,やめるべきだと強く主張してきたが,強行された。それから1年後,組織委員会理事による汚職が発覚した。いや,すでにエンブレムデザインの盗作の辺りから,不穏な大会だった。結局,貧乏クジを引いた東京オリパラ2002 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/7/27 のブログで筆者は総括している。
一度決めた行政案件を中止することについて,どの内閣も決断しないまま,なし崩し的に強行を繰り返してきた。第二次世界大戦で真珠湾攻撃をおこなったときも,挙げた手の降ろしどころがなかった。結果は,当時の国家君主であった昭和天皇が終戦宣言をした。ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻も,何度かやめる決断ができるチャンスがあったが,ズルズルと続けている。とばっちりを受けるのはウクライナ国民である。
いったん物事を動かし始めると,聞く耳を持たなくなる。議論をする場さえ設けなくなる。仮に意見を聞いたとしても,決定を覆すことはない。多数決で勝てるとわかっているための慢心だと考える。
始める直前に中止するという決断にも,大きな勇気が必要であり,強大なストレスが押し寄せてくる。しかし,いったん始めてしまうと,そのモーメントが止められない。後戻りができなくなる。
筆者は今でも,東京オリンピック2020は中止すべきだったと思っている。デルタ株という重症化率の高い新型インフルエンザが猛威を振るい,ワクチンも10%しか使用されていない時期である。無謀だと思ったが,今回の汚職事件などを見ると,裏でやはりカネがらみの大きなモーメントが動いていたのだなと判断せざるをえない。
安倍元首相の国葬に対して,これだけ反対意見が出ているにも関わらず押し切ろうとするのは,なぜなのだろうか。自民党内最大派閥の安倍派(清和会)の力,そして明らかになった旧統一教会と自民党の癒着が,背景にないとだれが否定できようか。岸田文雄首相は,何に忖度して,国葬挙行を強行しようとしているのだろうか。
9/27の日本武道館のある北の丸公園周辺は,街宣車が集結するだろう。デモも行われるかもしれない。海外の要人はおそらく大丈夫だが,日本の政治家,国会議員などの国内の先生方に対する攻撃の可能性も否定できない。
筆者は,イギリス・エリザベス女王の訃報--安倍昭恵夫人は国葬を辞退した方が潔いと思う - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/9/9 と書いたが,結局のところ夫人のコメントは何もない。情けないな,あるいは高慢ちきだな,と思ってしまう。
やめることによる代償はもちろんある。しかし,「人の意見を聞いてくれる」という評価は,非常に貴重だと思う。
北朝鮮との外交問題も解決できず,ロシアや中国から完全に敵対国とされてしまった。新型コロナウイルスを含めて国際問題が多発している現在の解決を期待したが,岸田政権には,失望してしまった。
【追記】岸田首相「国葬をやるなんて、誰が言いだしたんだ」と嘆く! 国民の批判から逃げた“証拠文書”を入手 | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]。こんな記事を見つけた 2022/9/6。この記事を信じるとして,この記事の中でも国葬を止めるには安倍昭恵夫人が辞退することしかないとしている。筆者のコメントは,イギリス・エリザベス女王の訃報--安倍昭恵夫人は国葬を辞退した方が潔いと思う - jeyseni's diary 2022/9/9。筆者はこの記事を読んでいたわけではないし,パクったわけではないことをお知らせしたい。