COVID-19オミクロン変異株ウイルスの世界的拡散が止まらない。今日時点で16ヶ国。ヨーロッパでフランス,スペイン,ポルトガルでの感染確認者が追加された。
岸田文雄首相は11/29に「外国人入国を全面停止」を発表した。日本は島国なので,基本的に空港を制御すれば感染症の侵入を防げる。本来なら,入国停止しなくても,江戸時代の長崎出島方式で出入りを厳しくチェックすれば防げるはずである。これはちょうど1年前に指摘した。 「出島」と「関所」をもう一度 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/12/1。
すでに各国でも,入国制限措置が取られつつあり,日本としてはかつてない素早い判断だった。評価する声が多いらしい。
筆者は,行き来の頻度がCOVID-19感染拡大率に比例--長期滞在/移住型以外はオンラインへの切り替えを - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/11/28 の中で,全面停止ではなく,短期滞在予定の人の制限を提案した。本来,短期滞在予定者の多くはビジネスマンであり,経済の継続性の意味からは入国制限は問題が多い。その分を,オンラインビジネスとして進めてほしいという提言である。鎖国下の江戸時代でも,貿易関連の海外交流は長崎の出島で活発におこなわれていた。ただこれはビジネスというより文化交流に近い。海外の新しい技術や文化を支配階級である幕府が積極的に受け入れる姿勢での交易である。その意味で,現在で言えば長期滞在する留学生や転勤,そして正しく登録された技能実習生などの受け入れは,検査や手続きをきちんとした上で進めるべきだと考える。岸田首相の「全面停止」は,状況を見ながら臨機応変な修正が進められることを期待している。
南アフリカ側からすると,新規変異株情報の積極的な公開によって,世界中からバッシングを受けているように感じられるかもしれない。しかし,最初の1週間や半月はまず「急ブレーキ」を踏む必要がある段階であると捉えてほしい。1~2年前に,何も状況がわからずに人流停止させた段階から,検査態勢も整ってきている。お互いに冷静に,より適切な対応を取っていると認識してもらえればと思っている。
なお,帰国を予定している日本人については,より精密な検査を行ってほしい。さすがに唾液による抗原検査だけで入国を許可するのは危険だと感じる。