民放の「NHK化」が進行中…「教養番組」を作らざるを得ない苦しい内部事情 なぜ中高年の視聴者を狙うのか? (msn.com) 2022/9/30。秋のバラエティ改編がほぼゼロで,新番組はドラマだけ,と書いてある。フジテレビはバラエティ改編0本,日テレ,テレ朝がそれぞれ1本,テレ東が2本で,そのうち2本が教養番組だというところに驚きがある,というのである。
改編がない,ということはバラエティのほとんどは現在と同じ,ということではないのか。つまり,お笑いタレントMCでお笑いタレント(東大生を含む)出演のクイズ番組はそのまま続く,教養番組への改編がたった2本ということであれば,「教養番組を作らざるを得ない」という分析は当たらないのではないか。
バラエティ系の改編が少ないということは,現在の番組が人気があり,視聴率が高く,広告クライアントも付いている,ということで,いい傾向ではないのか。
すでに,挙げられているような教養系の番組は人気があるようだが,かつての「あるある」のようなヤラセ,捏造の危険をはらんでいる。ほとんどの番組が外注なので,そこの品質管理,ファクトチェックがほとんど行われない。この事情はNHKでも同様である。
筆者も定期刊行物の企画から発行まで携わってきたが,毎号の企画のネタ探しに非常に苦労する。残念ながら,すべてクリーンヒットというわけにはいかず,凡打でアウトになるような企画をやむなく入れざるをえないケースもある。まして,テレビ番組は毎週新しい企画を提供する必要がある。3~4チームで順次企画を回すとしても,いい内容もあれば,疑問のあるテーマもある。
教養番組の場合は,研究者を中心に専門家が監修することも多いが,内容が100%保証されているわけではない。特に,意外性を狙った企画では,際どいテーマも出てこないとは限らない。正直,人気だからといってお笑いタレントの進行で大丈夫なのか,という気もする。
逆に,毎週違うテーマで構成すればいいので,やっつけで作ることもできる(筆者もやっつけでテーマを引っ張りだすことも多い)。ドラマのように,事前の打ち合わせも作家の起用が必要な番組と違って,安易といえば安易である。
教養番組として年齢層の高い視聴者を狙う中で,お笑いタレントをMCに採用して,受け入れられるのかどうかも心配である。すでに,タモリ,所ジョージ,立川志の輔をNHKは採用して成功しているが,その他のタレントはどうだろうか。民放では堺正章が生き残っているが,他のタレントはこの路線に耐えられるのか。