jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

Foxit PDF Readerが使いやすい件

筆者は仕事上,PDFに注釈やコメントを入れて人とやり取りしている。PDFといえばAdobe Acrobatというソフトが定番であり,標準である。サードパーティのさまざまなPDF編集ソフトがあるが,最終的に「商業印刷に堪えられる機能」が保証されているのは,Adobe Acrobat Proだけである。

 そのPDFとの付き合いも長い。かれこれ20年以上になる。初期のバージョンは行儀が悪かった。もともとアメリカ製のソフトである。日本語化する際に十分な配慮がなかったため,日本語モードがすぐに外れてしまっていた。

 しかし結局,印刷業界ではPDFが標準になった。IllustratorPhotoshop,そしてレイアウトソフトもQuarkXPressからInDesignへと主流が移り,すべてがAdobe社のソフトが独占した。しかし,ネイティブファイルと呼ばれる各ソフトのファイルを印刷会社に持ち込むには,数GBというファイルサイズになってしまっていた。

 これをPDFで入稿すると,数百MBと1/10になる。これまでは光ディスクに焼き付けて郵送したり持ち込んだりする必要があったが,ファイル送信で入稿できるようになった。また,同じPDF仕様にすれば,Adobeの業務用標準ソフトでなくても,同等のクオリティの印刷ができる。MicrosoftWordで作ったレイアウトでも,印刷仕様のPDFに変換すれば,問題なく印刷ができるようになったのである。

 さて,Adobe Acrobatが標準なのだが,PDFのページを入れ替えたり削除したり,文字を修正したり,注釈を加えたりといった,PDF上で細かい作業をするためには,Acrobat Proという有料ソフトが必要だった。一方,PDFを閲覧したり印刷したりするだけなら,無料で使えるAcrobat Reader(現Adobe Reader)で確認できた。

 その後,Adobe Reader DCになって,無料ソフトで注釈を加えたり,フォームに入力できるようになった。PDFファイルを受け取ってコメントを加えて戻してもらう,という使い方が簡単にできるようになった。

 ところが,この無料のAdobe Readerも,有償のAcrobat Proも,筆者に言わせると複数の欠点がある。1つは,「引き出し線テキストツール」が非常に使いにくいことである。テキストの枠を縮めるとその位置が変わってしまい,再度調整をする必要があることである。

 もう1つが,蛍光ペンツールで文字を指定すると,蛍光ペンが隣の文字にかかってしまい,文字単位で指定するのが難しい点である。

 この注釈ツールの欠点について,いろいろなソフトを評価してきたが,「Foxit PDF Reader」という無料ソフトでは上記の2つの使いにくさがないことがわかった。特に蛍光ペンツールは,いったん引いたあとに,範囲を簡単に拡大・縮小できるのである。

 Foxitには,Foxit PDF Editor(旧: Foxit PhantomPDF)という有償バージョンもある。こちらはAdobe Acrobat Pro DCと同様,ページの編集やフォームの作成など,多くの機能を持っている。以前,筆者はReaderバージョンでは物足りなくなって,Phantomバージョンを,購入して使用していた時期があったが,残念ながらAdobe Acrobat PCとの互換性が悪く,不具合を生じていた。現在のFoxit PDF Readerは,評価した範囲ではAdobe Acrobat Readerとの互換性は高く,問題はまだ確認できていない。

 ということで,注釈を加える際に,Foxit PDF Readerを使っている。フォームの取り扱いも,以前のバージョンでは互換性がなかったが,現在のバージョンでは書き出し,読み込みフォーマットも互換性が高く,問題なく使えている。

 注釈機能を使う機会がある方は,Foxit PDF Readerも評価してみることをオススメしたい。