jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

第11週は予定の8/11に発表なし--厚労省も気象庁などと同じく24時間体制にすべきなのかも

2023/5/9の新型コロナ感染症五類への変更に伴い,感染状況の報告が拠点医療機関役5000の1週間当たりの感染確認者数の報告をまとめて,週1回発表することになっている。毎週金曜日が,その正式発表日となっているはずなのだが,第11週の厚生労働省の予定発表日である8/11(金)にWebサイトでの発表がなかった(新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料(発生状況等)2023年6月~|厚生労働省 (mhlw.go.jp))。

 筆者は,新型コロナ「注意報」が10人,「警報」が30人--しかし,世間はまったく危機感なし - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/8/9 のブログで,「これを「官僚も休日のため」という理由で発表しないとすれば,これはもう日本は絶望だなということになるだろう」と書いたが,当たってしまった。

 官公庁の中で,24時間365日態勢にあるのは,気象庁だろう。また消防庁,警察,自衛隊もフルシフト態勢である(ほかにもあるかも知れない。無知で申し訳ない)。気象庁などがもし「土日祝日はお休み,夜はお休み」となっていたらどうだろう。国民は納得しないだろう。そもそも,気象庁消防庁,警察の職員は使命感を持ってシフト勤務態勢を取っているだろう。

 かつて,大蔵省,今の財務省が,予算編成のために職員が1週間徹夜で働いたことが話題になった。おそらく,官僚の中でも一番のエリートだという意識があったからだろう。しかし,そのモーレツぶりがさまざまな不具合を招いたために,改革が進んだはずである。

 今回の厚労省のケースは,筆者は別に厚労省に24時間態勢を取れ,と言っているのではない。各県からのわずか50件の数字を表にしてPDFを作成し,これをWebサイトにアップする,という一連の作業を,リモート操作ないし「自動作成」する仕組みを作る,という対応ができなかったのか,と指摘したいのである。

 各県からの報告を,データベースへ直接記入してもらい,あとはその数字を使って一覧表を作成し,PDF書類を出力し,これを厚労省のWebサイトにFTPで自動転送して更新する,という一連の手順は,ほとんど自動化できる。筆者でも作ることができるし,実際20年前に社内の正式なシステムとして作成して運用してきた。当時は出社しての作業だったが,リモート操作環境が簡単に構築できる現在なら,テレワークで操作もできる。Webサイトへのアップロード前のPDFファイルを責任者がテレワークで確認し,アップロードボタンを押すだけで,厚労省のWebサイトにアップロードして更新することは,簡単なプログラムで実現できる。厚労省という,財務省と闘うほどの超エリート官僚が集まる省庁において,この程度の仕組みを構築できない訳がない。

 つまり厚労省には,「新型コロナウイルス感染状況を国民に正しく伝える」ための使命感がない,という具合に国民は判断せざるを得ない。筆者は,同Webサイトが更新されるのを8/11中ずっと期待していたのが裏切られた形なのである。

 気象庁などの例を見ると,省庁のうち「庁」は国民に寄り添った活動をしているということになるだろうか。省庁一覧(官公庁サイト一覧 | 政府広報オンライン)を見てみると,厚労省には「庁」がないことが分かる。筆者の定義だと,厚労省は国民に寄り添った活動をする態勢になっていない,ということになる。

 厚労省に,たとえば「健康保険庁」と「疾病対策庁」を設け,ここを24時間態勢にする,というのはどうだろうか。あるいは,デジタル庁のように,厚労省を「厚生労働庁」にしてはどうだろうか(デジタル庁が24時間態勢になっているとはとても思えないが)。

 2007年1月、防衛庁防衛省へと「昇格」した,という記述がある。予算や政策の要求などが独自で行えるようになり,権限が拡大したとある。省・庁にそのような「格付け」があるらしい。なるほど,防衛予算が拡大するのも権限の拡大だろうか。

 しかし,正直言って,厚労省防衛省の職員による不祥事が目立つ。権限が拡大したことによる受託権益が,国家公務員としての職責という目を曇らせてしまっているのではないか。そもそも,こんな格付けがあること自体がおかしい。

 五類移行して3ヶ月。8/11の山の日は昨年から決まっている。11/3の文化の日も金曜日である。また同じことが繰り返されるのだろうか。単純に,「五類に移行すれば,新型コロナ禍は収束し,発表することはなくなるだろう」といった穿った気持ちがあったのではないか。

 マイナンバーカードと健康保険証番号や年金番号などとの紐づけミスなど,実務系のチェック態勢が甘い。マニュアル作成も行われていないのではないか。「はい,やってね」と丸投げ委託の体質があったのではないか。

 民間企業でも,業務には最低限のマニュアルがあり,それを現場の事情に沿ってより詳細化して行かなければ,どこかで抜け落ちが発生し,ミスが生じる。そのミスをなくすためにマニュアルを更新し,社員への再教育をして,二度とミスが起こらないようにする体制が取られる。社員は,マニュアルがどんどん変わるのに対応しなければならないので大変であり,それまでのやり方をそのまま続けようとする。それを,スーパーバイザーが監視し,注意し,修正していって,初めてミスがほとんどない体制になる。

 しかし,スーパーバイザーがきちんと働かなければ,マニュアルの改定も行われず,マニュアル無視,手続き省略,などが現場で行われ,品質が保たれなかったり,検査不正として発覚したりする。

 監視,検査という工程は,人件費を含めてコストがかかるだけで何も生まない工程である。それを省くことでコストダウンは「簡単に」実現できてしまう。しかし,ミスが発覚した場合の痛手は大きい。「マイナンバーカードの返納」などという,筆者にとっては考えられない行動を取る国民が出るほど,システムの根幹を揺るがしている。企業だったら倒産である。

 正直,2020年以降の新型コロナウイルス禍に対する政府,厚労省の対応については,いささか「楽観的」過ぎたのではないかと思っていた。今回の,たった1回の発表されなかった件に,反応したのは筆者だけだろう。

 ウクライナとロシアの双方での民間への攻撃がここのところ激しくなっている。しかしこうした中でも,8/6の広島,8/9の長崎,そして8/15の終戦の日,という日本の「戦争被害者意識」の表明で「戦争はいけません」と言うだけの平和ボケした日本に,明日にもミサイルが撃ち込まれる危険を予想するだけのマインドがあるのかと,心配になってしまう。いわゆる平和への「ゆでガエル」状態である。