jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

接種券のVRS入力用バーコードは「NW-7」。専用スキャナーの性能が悪いと思われる【7/1追記】【7/19修正】

新型コロナウイルス対応ワクチンを日本各地に供給する体制に再び問題が起きている。

 2021年3月は,65歳以上の高齢者対象でスタートした際,接種券を一斉に配布したのにワクチンの入荷数が少なく,予約システムがパンクした。その後,4月,5月と接種数が増え,必要数と供給数がだいたいバランスが取れつつあったが,接種数の伸びに鈍化が見られた。そこで,東京と大阪に自衛隊が運営する大規模接種センターが5月後半に運用を始め,自治体での予約が取れなかった高齢者や,より早く接種したい高齢者の予約替えで,全般的には前倒しに接種が進んだ。しかし,高齢者でわざわざ都心まで来る人は限られ,接種枠に空きが生じた。自衛隊救急救命士などへの先行接種をこの空いた枠で進めたが,また予約に空きが残り,大規模接種センターはいったん予約を停止した。

 これに変わって,64歳以下の若い世代へのワクチン接種のために,大学や企業などが実施する職域接種が6月から始まった。当初,1000人以上という条件で大企業のみが対象になると思われたが,地域や協会などで人数をまとめたり,社員の家族や関連会社までまとめて人数を確保して,職域接種に応募をする組織が増えた。

 今度はまた会場が増えたために,供給できるワクチンが足りなくなりそうになり,職域接種の募集を中断したのが,6/30である。同様に,自治体の個別接種においても,自治体がリクエストした数のワクチンがタイムリーに供給されない可能性が出てきた。

 職域接種については,本当に接種の実績の管理ができるのか,という問題を先に指摘した 職域接種の「接種券なしで可」の「後からの登録で良い」の「登録」って何? - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/6/21。ところがこの「後からの登録」である「ワクチン接種記録システム(VRS)」「ワクチン接種円滑化システム(V―SYS)」は,自治体の接種状況の把握もうまくできていないようなのである。

 自治体が発行する接種券に貼られたシールにある自治体番号と個人の券番号を,表示したバーコードを専用の読み取り機で読み取る仕組みである。バーコードがあるから,入力はスムーズにできるのだと思っていたのだが,どうもこのバーコード読み取りがうまくできないらしい。接種したかどうか,何回目かという情報も含めて,数字で18桁。これがどうも,読み取れないらしく,1枚の入力に2分近くかかったという例がテレビで報道されていた。

 昨今,よく使われるQRコードではなく,また商品に使われるJANコードでもない。調べてみると,どうやら「NW-7」コードのようである。

 NW-7コードは,数字だけの構成で,桁数の縛りがないので,今回のような用途には最適かもしれない。手元の接種券でスマホのバーコードスキャンアプリで読み取りを試してみたが,特に読み取りにくいということもなかった。

 とすると,医療機関自治体に配置されているVRSに接続されているバーコードスキャナーの性能が悪い,ということになるのではないかと思われる。

 機器の改善要望を出すとともに,通常のバーコードスキャナーが使えないか,またスマホでの読み取りを転送できないか厚労省に確認して,ストレスのない入力を進めないと,「接種が遅れている」と判断されて,供給順位を下げられないとも限らない。

 ただ,医療機関にしても自治体にしても,数字入力は日常茶飯事だと思われるので,テンキーでタッチタイピングすれば1件10秒もかからない。確認処理時間も含めて1件1分で処理すれば1時間で60件,1日で500件ぐらいの入力は1人でできると概算できる。テンキーでの数字入力は,経理畑の人なら日常業務なので,この程度なら苦にもならないのではないか(筆者も過去にはテンキーでのデータ入力を数百件,1日でしたことがある。もっとも入力はその日だけであとはデータ処理だったが。そのときはテンキーだけでどんどん打ち込んでいた。キー位置は今でも手が覚えている。)

 ワイドショーの中で,読み取ったコードの氏名が違っていた,と言っていたが,それは読み取り間違いで別の番号と認識したことによると思われる。さすがにこの接種券の券番号と個人名の照合が違っていることはないと思うのである。

 それにしても,医療機関自治体がこのVRS入力で全接種状況を管理しているのであれば,だれがいつどこでどのワクチンを何回目接種したか,という情報はデジタル的に自治体も把握できるはずである。この情報をマイナンバーと紐付けて,3回目の「追いワクチン」が必要なタイミングで連絡いただいたり,ワクチンパスポートにつないでいただいたり,ぜひ発展させていただきたいと期待している。

【追記】ワイドショーの関係者でワクチン接種券が届いている人は,少なくとも10人はいるのではないか。ならば,筆者のようにスマホのバーコードアプリで,接種券のバーコードの読み取りができるかどうかぐらいの確認はしたらどうかと思う。別に,テレビでその読み取り実験をしろ,とまでは言わない。個人情報が入っているからだ。情報発信に当たっての詰めが甘いように思える。【追記終】

【修正】ワクチン接種券のバーコードを読み取って,誰がいつどこでどのワクチンを何回目に接種したか,を登録するのは「ワクチン接種記録システム(VRS)」でした。地方自治体が,接種予定量を申告し,これに対してどの程度接種したかも報告して,厚労省が進行状況の把握をするためのシステムが「ワクチン接種円滑化システム(V―SYS)」でした。VRSはバーコードの読み取りで入力するが,バーコードの読み取るタブレットの性能が悪くて入力に時間がかかり,V―SYSは各医療機関での接種数を集計して手入力するので時間がかかる。どっちもダメダメである。せめて,VRSで入力された数字を自動的にV―SYSに移せばいいのだが,なんだか集計のベースが違うことも問題があるようである。【修正済】