jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

気象・災害関連情報の言葉使いの再統一を提言--「情報?」「アラート?」「指示?」「勧告?」「レベル?」 など使い方がバラバラ【追記】

2023/8/12現在,台風6号の九州西側縦断に続き,7号が今度は本州中央縦断に向けて接近中である。お盆休み後半の8/15がピークと予想されているが,時速15kmとゆっくりした速度で北西に進んでおり,海水温度も高いことから,今時点で気圧940mPaと,筆者の台風の最大基準である伊勢湾台風を超える強大な勢力になっている。

 気象庁の発表や,内閣省中央防災会議などの発表する文章を見ていて,相変わらず言葉の使い方の統一が取れていないのを改めて感じる。筆者もその都度,迷っているので,一度まとめてみようと思う。一次情報として,Yahoo天気・災害のページを中心にピックアップしたため,ブレがあるかもしれない。

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 まず気象情報の「注意報」「警報」「特別警報」。

「注意報」の対象となるのは,大雨、洪水、強風、風雪、大雪、波浪、高潮、雷、融雪、濃霧、乾燥、なだれ、低温、霜、着氷、着雪である。

「警報」の対象は,大雨(土砂災害、浸水害)、洪水、暴風、暴風雪、大雪、波浪、高潮

「特別警報」の対象は,大雨(土砂災害、浸水害)、暴風、暴風雪、大雪、波浪、高潮
となっている。共通するところを太字にしてある。

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【追記】大雨警報発令中に,さらに「記録的短時間大雨情報」が発令されることがある。逆にここは“記録的短時間大雨警戒” とすべきだと考える。

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津波では,「津波注意報」「津波警報」の次が「大津波警報」となり,「特別警報」という言葉ではなくなる。まあ,風,風雪については,「強風」→「暴風」,「風雪」→「暴風雪」と表現が変わる。つまり,“強風警報”というのはなく,「暴風警報」になる,というわけである。

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ここに,「危険度」として「注意報級」「警報級」「特別警報級」「警報級の可能性」という表現が加わるようである。

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土砂災害警戒情報,河川洪水予報では,数字で「2相当」「3相当」「4相当」「5相当」という表現がされる。それぞれ,避難行動の確認,高齢者等は避難,全員避難,命を守る行動を,という意味が加えられている。同じ表現でも,「情報」と「予報」という違いがあるし,情報・予報が出されていない間は「今後の情報に注意」という案内が出される。

これに関連する「避難情報」では,「警戒レベル」として3,4,5の3段階でそれぞれ「高齢者等避難」「避難指示」「緊急安全確保」という表現が使われている。上記の土砂災害警戒情報や河川洪水予報のレベルと同等なのか,分からない。

 合体すると,「土砂災害警戒情報で3相当の高齢者等避難」と「避難情報で3の高齢者等避難」は合致するが,「4相当の全員避難」と「4の避難指示」が同じなのかという疑問が出てくる。ここは,統一をしてもらいたいところである。

【追記】気象庁|防災気象情報とその効果的な利用 というWebページに,このレベルが図解されている。プリントアウトして置いたほうがいいかもしれない。

土砂災害、洪水、高潮からの避難の判断基準と対象区域(内閣府のガイドライン)

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熱中症情報は,6段階。「ほぼ安全」「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」「極めて危険」である。それぞれ,暑さ指数(WBGT)で「注意」25未満,「警戒」25~28,「厳重警戒」28~31,「危険」31~という数字が当てられている。

 ところが,「熱中症警戒アラート」が発令されるのは「暑さ指数の予測値が33以上」とある。熱中症情報では「極めて危険」というところに相当するように思えるのだが,つながりがない。

 筆者は,この「熱中症警戒アラート」という言葉が使われ始めたときに,「アラート」は「警戒」でいいのではないのか。しかし具体的に「対策準備」とした方が明快と考える。 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/7/19 というブログを書いている。この時は,「熱中症アラート」という言葉は「熱中症警報」「熱中症警戒」でいいのではないかとまとめている。   さらに,“警戒アラート”という言葉が“警戒・警戒”とダブって聞こえるのである。しかし,「熱中症警戒アラート」が出される基準は,「警戒」も「危険」もすでに超えている。ブログでも書いているが,「熱中症退避指示」ぐらいの強い言葉が必要ではないか,という思いなのである。

 そもそも,この「アラート」という曖昧な英語を使い始めたのが問題なのである。これ以前に,2017年に全国瞬時警報システム(Jアラート)が総務省消防庁の運用で始まった。稼働弾道ミサイル情報、緊急地震速報大津波警報などを携帯電話などに発信して,国民に数秒から数分の対応準備をしてもらうシステムであり,警報音(アラート)を具体的に出すシステムである。熱中症アラートでは警報音は出ないのに,アラートという言葉を使うことがおかしい。

 「熱中症情報」を出している環境省,そして「熱中症警戒アラート」を出している気象庁は,きちんと情報交換した上で言葉の使い方の統一を図ってもらいたい。こうなるとまた,省庁の壁がジャマになるのだろうか。