地球温暖化が「地球沸騰」段階へと,残念ながら加速してしまっているようである。矛盾しているとは思いながら,この熱帯状態の日本ではエアコンの適切な使用をしないと身体が持たない。
日本の文化として最高だなと思うのが,お風呂である。暑い夏でも寒い冬でも,温かい風呂桶のお湯に浸かり,身体を温めて身体を洗うと,身体もさっぱりすると同時に気持ちもさっぱり,ゆったりとする。これほどお湯をふんだんに使えるのも,温泉という自然の恵みを受け,これを個々の家まで水道を引き,ガスや電気,古くは薪を燃やしてお湯を温めるというインフラを整備してきた豊かさがある。当たり前のように思えるが,これほどインフラの整備された国も少ないということを,認識すべきだろう。
筆者にとっての風呂上がりのお楽しみが,ビールである。子供のころは親は瓶ビールを飲んでいた。冷蔵庫でも場所を取るし,重さもある。冷やすのにも時間がかかる。空になった瓶はリサイクルのためにケースに戻すが,このケースも場所を取った。
社会人になってからは,もっぱら缶ビールである。6本単位のパッケージは,スーパーで他の買い物と一緒になってもそれほど重さの負担はなかったし,保管場所も取らない。飲み終わったら圧縮すれば場所を取らないし,リサイクル率も高い。瓶ビール派からは「缶のニオイが苦手」と言われ,缶ビール派でもグラスで飲む人も多い。缶に口を付けて直接飲まない。筆者はこれも味の1つだと思っているし,なにより缶の工夫を続けているメーカーに失礼かなと思っている。
「認知症の1つの原因として脳にアルミが溜まるからアルミ缶はやめたほうがいい」というのも,都市伝説だと思っている。アルツハイマー型認知症の原因と言われるアミロイドベータが,アルミ缶が原因というのは,基本的には間違いだと思っている。
ということで,前期高齢者になっても,引き続き缶ビールを愛している。ただ家族ができてからは,冷蔵庫の中の居場所が減って行った。最初は6本入れていたが,次第に2本から1本になり,それもなくなった。冷やさないまま飲むことが多くなっていた。まあ,冷やし過ぎると逆に一気に飲んでしまうから,常温でゆっくり飲むのもいいか,とか,冷やし過ぎるのは身体に良くないかも,などと言い訳しながら,常温ビールも楽しめるようになっていった。焼酎のお湯割りも楽しむようになり,ビールは常温でもいい感じだった。1本だけ,冷蔵庫で冷やそうと思っても20分はかかってしまうし,今ひとつ完全に冷えない感じが中途半端だったというのも言い訳である。
たまたまAmazonで缶の飲み物を氷で冷やすグッズを見つけた。缶を寝かせ,その上に氷を載せ,缶を回転させるというものである。そういえば,以前,缶ビールに貼ったシールを集めたら,こういうグッズをプレゼントするという企画があったことを思い出した。かなりの点数が必要で,集めきれなかったと思う。また「そもそもこんなもので冷えるわけない」という思いがあった。当時のグッズはモーターで缶を回転させていた。面白いなと思っていたが,わざわざモーターを使うのもどうかと思っていた。
今回見つけたのは,この缶を手動で回すタイプである。価格は1700円。
写真にあるように,缶を回転するレバーは理解できたが,左側の白い部分の意味がよく分からなかった。
まず効果だが,90秒間,ハンドルを回し続けるだけで本当に飲み頃になるまで冷えてしまった。クーラーボックスで氷水で冷やしたぐらいによく冷えている。これにはちょっと驚いた。
缶を回す仕掛けは,缶の下にある2個のローラーであり,これをハンドルで回転させて缶を回す。缶の下に氷が入ると,缶が氷で押し上げられるため,うまく回らなくなる。左側の白い部分は,冷えた缶を取り出す際に残った氷をいったん退避させるために付いていた。なかなかアナログな方法だが,1本冷やすのに氷が半分ぐらいになるため,ムダにしないためにもいい工夫がされていると思った。
ハンドルの部分がプラスチック製で,強度的には少し難があるかもしれない。大事に使ってみたいと思う。まあ,「1本だけ」どうしても飲みたいときは,コンビニで買ってくればいい時代ではあるが。