2023/10/26(木)~11/5(日),ジャパンモビリティショーが開催中である。筆者には,「モーターショー」の方が馴染みがあるが,多様化を反映してのネーミング変更である。
EV(電気自動車)シフトが明確に示されている中で,問題となっているリチウムイオン電池の廃棄・リサイクルについて,1つのすばらしい提案があった。
「Mobile Power Pack e: 」という標準の電池パックを提案しており,これをバイクから商用車,トラックまで共通で使うというものである。ガソリンステーションならぬバッテリーステーションでは,満充電のパックを交換するだけですぐに100%チャージ状態になる。残量に応じた課金をすればいい。また,これならバッテリーの寿命をユーザーが気にしなくても,何年でも乗り続けることができる。2回目の車検で新車に乗り換える,などといった無駄がなくなる。また,充電能力の落ちたパックは,ステーション側でリサイクルに回すという流れを作ることができる。
小型の電池パックのため,一般家庭用の非常用電源としての展開も可能だろう。トヨタが開発中の全固体電池も,同様の方法で使えるようになるといいと思われる。
さて,ここまで書いて,実は筆者が推している水素エンジンカーについても,同様なカセット方式を提案したい。つまり,水素ステーションに巨大なタンクを置くのではなく,家庭用コンロのカセットボンベのような「カセット水素ボンベ」を標準化する方法である。
水素は金属に染み込んで金属をもろくしやすい。水素ステーションのタンクも,金属の内面を樹脂でコートしたり,全体を樹脂で作るなどで,この金属脆性という問題を回避している。
コンロ用のカセットボンベでも,ゴムパッキンを使用して密封しているため,安全使用寿命は5年と言われている。カセット水素ボンベはもっと管理が適切に行われる必要がある。
しかしその着脱の容易さと,外してステーションでチェックする体制の強化によって,安全性は担保できる。ボンベのリサイクルも適切にできる。
緊急用に,カセットボンベ式の小型発電機の導入も考えた(カセットボンベは災害時に役に立つのか--使用時間1時間の疑問 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/1/21)。しかし,発電時にCO(一酸化炭素)が発生するらしく,屋内で使えないばかりか,1本で1時間しか発電できない。残念ながらパスした次第である。
本田技研が,電池パックを提案したように,早く日本から標準仕様のカセット水素ボンベの提案をすべきだと思った。