jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

航空機には接近警報装置や自己位置発信装置などのデジタル安全装置があるらしい--アラートを無視する「慣れ」もあった可能性

羽田衝突事故「海保機に非搭載だった」と海外メディア報じる装置とは 欧米で義務化 日本は事故後も“沈黙” (msn.com) というニュースが流れていた。「TCAS」と呼ばれる接近警報装置と,「ADS-B」という現在の位置と高度を搭載機が発信するシステムのことで,海保機にはTCASは搭載されていたが,ADS-Bは搭載されていなかったという。

 すでにこういうデジタル機器が開発されており,欧州では搭載の義務化,アメリカでも補助金が出されている。日本はTCASは搭載されているが,ADS-Bは義務化されておらず,海保機には搭載されていなかった。管制の指示ワードの変更,モニターの常時監視,停止線の引き直し--今できることだが,もっとほかにデジタル化できるのではないか - jeyseni's diary (hatenablog.com) (2024/1/9)と書いたが,TCASについては宝の持ち腐れ,ADS-Bについては呆れて開いた口が塞がらない。

 確かにデジタル技術には落とし穴がある。正直言って,出てくるアラートはいつも同じである。その内容を深く考えずにアラートをOFFにしてしまうこともある。また結構な頻度でエラーでアラートが出ることもある。アラートが出ても注意しないという「慣れ」が生じていたのではないだろうか。接近警報装置なら日航機にも海保機にもアラートが出ていたはずである。日航機はアラートを無視,あるいは黙認して着陸態勢に入ったのではないか。

 鉄道では,「指差し確認」が普通に行われている(はずである)。製造業でも指差し確認は当たり前である。航空機業界でも,整備や誘導を担当する地上係員は,指差し確認する姿が見られるという。すべて,ポカミスと言われるうっかりミスを起こさないためである。

 パイロットは,搭乗時にさまざまな安全チェックをする。副操縦士との間で読み合わせをし,間違いがないことを確認する。アラートに対しても同様の対応をするのではないかと思うのだが,今回は非常に怪しい。パイロットも管制官も,日頃の「慣れ」で事故を予測できなかったのではないか。

 正直,「ADS-B」が搭載されていたとしても,この事故は起きてしまっていたかもしれない。