警視庁保安課で30年ぶりの特別捜査本部設置 巨大スカウトグループ「アクセス」めぐる事件で “トクリュウ”解体を目指す(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース (2025/1/9)。
この犯罪の流れは,まずホストクラブに通う女性に対してホストの「推し」などでツケ払いをさせ,その借金の返済のために女性を性風俗店に紹介してキックバックを得る,というものである。性風俗店への紹介をスカウトという形で値付けさせる。スカウトグループの連絡は,偽名を使ってSNSでやり取りするトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)と位置づけ,この偽名を使うスカウトグループを摘発し,解体するために,特別捜査本部を設置するというものである。
バブル期ならともかく,女性が大金を使ってまで職業イケメンに投資する理由がまずさっぱり理解できない。いくら投資をしたところで,自分のモノになるはずがないことは初めから分かっているし,仮に結婚できたとしても相手はただのイケメンだけであり,玉の輿でも何でもない。一時的なお姫様扱いをしてもらいたいために自分の身の危険まで顧みずに通い続ける意味が分からない。それがまた商売として成り立つことが,この日本のおかしくなっている証拠の1つでもある。
次に問題なのは,借金を抱えた女性を働かせる性風俗店が全国で4000軒もあるという恥ずかしい事実である。これは日本の恥である。
かつてこれもバブル期の話だが,日本人が東南アジアに買春ツアーと称して接待も含めて女性を買いに行った時期がある。日本の性風俗店における本番規制に伴うものである。しかし,その後は海外での批判もあり,買春ツアーはなくなってしまったと思われるが,逆に日本国内では性風俗店という場ではなく,ホテルや自宅などに出張しての売春に形を変えてきている。それでも表立った性風俗店も4000軒もあるというのは驚きである。
おそらく幸いなことに,現在のインバウンドと呼ばれる海外からの観光客のお目当ては,日本の寺院仏閣,伝統芸能,和食といった日本文化や,富士山に代表される四季折々の豊かな日本の自然への関心が中心であり,買春ツアーではないと思われる。しかし,さまざまな情報が自動翻訳されて世界に発信されている中で,今回の報道を見た海外の人たちは日本をどのように見るのだろう。
平和で安全な国,伝統と格式の国,礼儀とおもてなしの国,という日本のイメージは,すでに崩れているのかもしれない。かつて「ここがヘンだよ,日本人」というテレビ番組があったが,たぶんその中では日本の性産業についての指摘はなかったと思われる。残念ながら日本から性産業がなくなったことはないが,これを取り上げたら大混乱になるはずだろうからである。
実際,日本へのインバウンドで買春ツアーが起きないとも限らない。ただ,かつての東南アジアへの買春ツアーでは,まさに日本人客のために日本語で応対するなど,涙ぐましい努力がされていたが,日本人女性が海外の客に対して現地語対応するなどといった努力も資質もないから,このビジネスは成り立たないのだろう。結局日本国内でのマッチポンプになってしまう。
かつて,日本にとって欧米が憧れの文化圏であったように,アジアの国の人にとっては日本は憧れの文化圏である。そこに性産業とそれに関わる高度なネットワーク犯罪が行われていることを知れば,日本を蔑むことになるだろう。
日本の2025年問題と呼ばれる「団塊世代の後期高齢化」が迫っている。1947~49年の3年間に年間200万人も出生した世代全員が後期高齢者となって年金財政を圧迫する。しかも,日本のGNPに貢献する仕事から離れるにも関わらず,「生涯,現役」などと余計な行動に走る可能性も高い。若い女性がそんな老人の餌食になっていいのだろうか。
さらに経済の縮退によって男性が家族を維持できる仕事と収入を得られなくなり,晩婚化,未婚化,結婚しても少子化という流れがもはや止められなくなっている。その受け皿としての性産業などもっての他である。
今回の特別捜査本部が,単にスカウトグループの摘発ばかりでなく,闇バイトで強盗をさせる犯罪グループと,オレオレ詐欺などの犯罪グループの摘発も一斉に行い,性産業の解体,詐欺犯罪の解体など,日本の浄化に進んでほしいと期待したい。