jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

台風の暴風・強風圏内の雨雲は線状降水帯と区別すべき--移動速度が遅ければ連続して降るのは当たり前

2024/8/29時点で,台風10号は進路が西から北に変わり,午前8時に鹿児島県薩摩川内市に上陸した。上陸時の中心気圧は935hPa。8時間経過した16時現在,まだ熊本県雲仙市辺りに中心があり,気圧は980hPaに下がっている。スピードが相変わらず時速15kmと遅いため,現在の進路予測は本州縦断だが,暴風は収まる方向にあると判断した。

 しかし問題は,日本上空に運ばれてきた湿った大気である。ここにさらに名古屋付近と相模湾付近に南から風の流れがある。愛知や神奈川に線状降水帯が発生する可能性があると判断する。

 さて,九州地方で宮崎県や大分県などに線状降水帯発生の危険性がある,という報道がされている。しかし,筆者から言わせるとこれはこれまで報道されている線状降水帯とは異なる。もともと,台風を取り巻く雨雲は,複数の腕が伸びた形になることが多い。したがって,台風の速度が遅い場合はこの腕状の雨雲が1ヵ所に滞在する形になる。雨雲レーダーなどで見れば線状に見えるが,そもそも雨雲が次々の同じところで発生する線状降水帯の仕組みとは異なる。つまり,台風近辺の長時間の降雨は,台風によるものであり,線状降水帯とは異なるはずである。

 台風から遠く離れているのに大雨になる状況が,線状降水帯である。風の流れ×地形×海水温で線状降水帯を予測できるのではという仮説--ノロノロ台風がもたらした線状降水帯 - jeyseni's diary (hatenablog.com) (2023/8/10)。この後も,日本上空には大量の水蒸気が流れ込んでいるため,どこで大雨が降ってもおかしくない。そこに台風という低気圧に向かう風の影響によって線状降水帯がどこでも発生しうるのである。「環状不安定パターン」という定義をしてみる--日本海から太平洋を丸で囲うと答えが出てくる - jeyseni's diary (hatenablog.com) (2022/7/19)。

 おそらく,この時間帯のニュースでは,「日本上陸後,台風の勢力が衰えた」といった安全報道がされると思われるが,実はそれが仇になる危険性があると筆者は考える。関東も,北海道もその対象である。暴風に対する備え,つまり停電の危険性は減少するが,大雨による土砂災害の危険性はまだまだ残っていると考える。