2024/8/26現在、台風10号が接近中である。週明けにも本州直撃などと予想されていたが、今日現在は水曜日ごろまで上陸予測がずれている。コースもどんどん西寄りになっているし、どこかで北東方向に向きを変えるという予報だが、これも確定しない。さらに、これまでは北東に向きを変えたらスピードを上げて一気に上陸して通過するというのがパターンだったが、今回はスピードダウンして発達しながら接近するという。台風のパターンも変化している。
それにも増して、台風接近前から大きな被害を出しているのが、線状降水帯である。日本中が大気の状態が不安定で、どこでもゲリラ豪雨になる可能性があり、しかもこの積乱雲が連続して発生する線状降水帯に発達する。
これまでのパターンだと、台風や低気圧の影響で海上から流れ込んだ水蒸気が陸地にぶつかり、海岸の地域を中心に線状降水帯を形成していた。ところが今回は長野県や栃木県などの内陸部で線状降水帯が発生している。
これまでも、山から吹き降ろされたところで雨雲が発生してゲリラ豪雨になるケースは多かった。今回はそれが連続して発達して線状降水帯になっている。
この原因は、ズバリ「大気中の水蒸気量の増加」である。ちょっとした風や気圧の変化で雲が発生し、一気に発達して積乱雲になり、ゲリラ豪雨、さらに線状降水帯となるのである。さらにその原因は,地球温暖化と言っていいだろう。
台風が恐いのは、強風による停電だが、線状降水帯は土砂災害がメインになる。命の危険性が高いのは、後者、という逆転現象になっている。
気象庁も天気予報士も相変わらず「備え」にばかり注意喚起するが、もっと独自の読みを伝えてもいいのではないだろうか。「トラックが横転する」とか「電柱が倒れる」といった表現は、ここ数年の台風で起きた非常にレアな事例が元になっていると思われるが、あまりにも説得力に欠けるし、気象庁の言いなりになっているように見える。専門家としてもっと毅然とした解説をしてほしい。