ほぼテレワーク状態が1年以上続いている。テレワークをしている側は実に快適なのだが,テレワークをされている経営側やリーダー側は,何かと不自由らしい。思うに「こちらはわざわざ出社して仕事をしているのに,おまえは家で好きなように仕事したりダラダラしたりしてるんじゃないか」と見ているのだろう。
たしかにリモートにいるメンバーの存在が分からない。仕事をしているかどうかは,結果が出るかどうかでしか判断できない。在籍確認アプリも提案してみた 在席申告で,テレワークのアピールを - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/3/11 が,自己申告の範囲なので信頼が置けないと思われても仕方がない。
たとえばオフィス側の管理者が,zoom会議を毎度立ち上げて,テレワーク者にも参加を求める。定期的に会議を立ち上げるように設定する。それに参加することで,会話などがなくてもテレワーク者とオフィス側は雰囲気でつながることができる。
ただ,zoomの問題は,ビデオと音声がデフォルトでつながることから,自宅のプライバシーを守りきれないことである。ビデオをわざわざオフにするのも何となくわざとらしい。音声だけがつながっていたとしても,何となく意図的である。
そこで,音声だけのアプリを試してみた。トランシーバーのアプリ,ないしはインカムのアプリである。スマホのAndroidとiOSでのみ使える和製のアプリとして「ぐるかむ」がある。また海外製だが,スマホだけでなくPCでも使えるアプリとして「Zello」がある。
トランシーバーないしインカムは,モバイル環境で使うのが原則なので,基本的にはスマホアプリで十分なのだが,デスクで管理するにはPCでも使えると便利かもしれない。「ぐるかむ」をPCで使うには,BluestacksやNoxなどのスマホエミュレーターをインストールして,その中でスマホアプリを動かす必要がある。一般にさらに厄介である。筆者も初期のBluestacksを使ったことがあるが,PCにかなりの負担がかかる割に動かすアプリが軽いので,何となく割に合わない気がしている。
オフィスに置いたスマホと手持ちのスマホをぐるかむでつないで実験してみた。同じ条件でzoomも試しているが,zoomだと音声の帯域が狭いのか,環境音などをフィルタリングしているらしく,マイクの直前の会話は普通に聞こえるが,環境音が聞こえにくい。オフィスのWi-Fi環境につないでの利用である。職場には足音や電話の鳴動音,プリンターの動作音などの環境音があり,zoomだとこの雰囲気を伝えにくい。ところがぐるかむは,この環境音も含めて非常によく聞こえる。さすがに業務用のトランシーバーアプリと銘打っているだけのことはある。
トランシーバーアプリは,基本的に聞く側がスタンバイ状態にあり,発話者がボタンを押して開始した会話を聞くことができる。ボタンから手を離すと発話が終わる。ボタンをトグル方式で1回押すと発話,もう1回押すと終話と設定することで,たとえばオフィスの音声を常時流すことができる。オフィスの中央にあるサーバーなどにこの設定をしておくと,接続者はオフィスの環境音を常に聞くことができ,テレワーク環境においてもオフィスにいるような気分になれる。PCでステレオで音を出しておくと,さらにいい感じになる。オフィスの担当者のアプリで発話すれば,この環境音に発話者の声が加わることになり,まるで隣の席の担当者が話しかけてきたような感じになるのである。
ぐるかむだとこのPC-PCの設定の実験ができないので,Zelloで設定を試してみようと考えている。結果はまたレポートしたい。
【追記】2台のPCにそれぞれZelloをインストールし,接続を試みた。デスクトップ機の場合,PCのマイクは一般に後付けになる。筆者の持っている環境だと,あまりいいマイクが付いていない。音質はスマホのマイクの方が勝っていた。Webカメラなどの工夫でもう少しよくなるかもしれない。