jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

軍手のような防刃手袋を試してみた件

実力で身を守る方法を考える - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/11/20 において,不審行動から身を守る方法をいろいろ考えて,「防刃手袋」を試してみることにした。

 一般人なので,警察や警備員が使うような本格的な防刃ベストはさすがに無理だし,逆に目立たないように着用する防刃Tシャツや防刃カタビラも検討したが,斬りつけに対する防御性能,つまり耐切創レベルはある程度期待できても,突き刺しに対する防御性能である耐突刺レベルを確保するのは難しい。しかし,多くの犯罪は,斬りつけではなく突き刺しなので,投資効果に悩んでしまったのである。

 防刃手袋は,回転機械を扱うような危険作業用も含めて手指への傷つけを防止する目的で販売されている。形は軍手で,使用する繊維をガラス強化繊維にするなどで耐切創レベルを向上している。しかし,耐突刺レベルを保証しているものは少なく,皮を重ねたゴツい製品になっていて,一般生活で使うにはかなり違和感があったので,もっとも手頃な軍手タイプを入手してみたのである。

 Amazonで見てみると,この関連商品も中国製が主流なのだが,日本製のものもいくつか見られた。価格も大差なかったので,今回は日本製の製品を選んでみた。いろいろ実験も兼ねているので,あえてメーカー名は出さないことにする。いや,性能が劣っているわけでもなく,無茶な実験をするわけでもなく,あくまでも事件を想定してのイメージなので,本来の使い方ではないため,迷惑をかけないようにしたいためである。

 強度を強化した樹脂繊維とガラス繊維の混紡のようである。色はグレー。やや光沢があるが,見た目はそれほど違和感はないように思う。着けごこちは,一般の軍手とあまり変わらなかった。伸縮性も同じ程度。暖かさも軍手程度で,冬場の一般手袋として使うには防寒用には足りない。ただ通気性がいい分,目的とする電車内で着用していても暑くなりすぎたり蒸れたりしなかったので,意外に快適だった。夏場はさすがに暑いかもしれないが軍手レベルなので使用できないわけではなさそうだ。実際,暑い作業場で使われているので,作業用としては適切なのだと思う。

 一般の軍手が木綿なのに対し,樹脂繊維を使っているからか,ややツルツルしている。おそらくこのツルツル感は,切創方向に対して力を逃がす効果もあるのだと思う。ちなみに,財布のチャックを開けてカードを取り出したりする作業は,十分できた。指先もピッタリのサイズだったので,意外に細かい作業にも使える気がした。ただ,スマホを操作することはできなかった。また傘を持つときもこのツルツル感で滑り気味だった。

 1日の電車や街中での使用なので,もちろん防刃性の確認はできないし,今後もあえて試すこともない。ただ,冬場はコートのポケットに入れて着脱できる気軽さと,1000円前後という入手しやすさ,そして「ひょっとしたらある程度被害を軽減できるのではないか」という安心感は,入手の価値があるように思った。

 想定する対応法は次のようなものである。刃物を持った相手に対して,まず逃げることが優先されるだろう。しかし,座っている状態で逃げられなければ,手元にあるカバンを突き出すなどで防御態勢を取ると思うが,これも時間が間に合わないかもしれない。最後は,突き出される刃物に対してどう対応するかである。

 何の護身法を持たない身として,素手で立ち向かうことはまず無理である。しかしホールドアップしたら攻撃される。となると,先手を取って相手の手を押さえにかかるしか防ぎようがない。素手だとケガの恐れがあるが,防刃手袋をしていれば運良く相手の攻撃を押さえることができるかもしれない。最悪,刃物を握ってでも相手の突きをある程度押さえることができるのではないかと思うのである。相手の本気度や狂気度によってまったく役に立たないかもしれないが,少しでも動きを制することができれば,周囲の協力を期待したいところである。

 サスペンスドラマの見過ぎ,とよく言われる。日本のドラマで起きる事件で銃が使われることは少なく,ナイフや包丁での事件が描かれることが多い。多くはお腹を刺されるケースである。これを防ぐのに「防刃腹巻」も検討してみたが,こちらはTシャツ同様,結構な値段がするし,日常使用にも不便がありそうだ。本来はお腹の部分を守れるこの防刃腹巻が欲しいアイテムかもしれない。

 いきなり腹や背中を狙われた場合は,どうしようもないが,防刃手袋にもう少し耐突刺性があれば突き刺し方向に対しての防御性も上がるかもしれないと考えた。これはあくまでもまだ想像中だが,防刃手袋の甲の部分に,突き刺しに対応できる板状のものを組み込むのはどうだろうか,と考えている。直径8cmぐらいの円盤状である。突き刺しに対しては,たとえば厚さ2mmぐらいのアクリル板である程度効果は期待できる。これに厚さ3mmの木の板を重ねる。木の板を外側に配置することで,突き刺し時に刃が周囲に滑るのを防ぐとともに,刃先が突き刺さることで相手の攻撃の動きを一瞬止めることが期待できる。そこでもう一方の手で相手の手や刃物そのものを押さえて,攻撃を止めることを狙うのである。いわば,「ミニ盾」を手の甲に仕込んだ形である。

 このアイテムは,手袋に組み込むことを想定したが,多少の時間があるなら指にはめるミニ盾としてもいいかもしれない。アイディアは公開なのでぜひ商品化を図っていただきたい。

 今なら,スマホをミニ盾に使うことも最悪可能だろう。スマホを盾のように構えることのできるホルダーが,意外にも自分の身を守ってくれるかもしれない。

 ちなみに,魚や肉をさばいたりする際のケガを防ぐために,食品加工用の専用の防刃手袋が広く使われている。商品を触っても問題ない製品である。色は水色が多いようで,一般使用にはやや問題はあるかもしれないが,コンビニや飲食店,食品販売などを中心に,不特定のお客様と接する可能性のある職業の方は,防犯グッズとして検討されてはどうだろうか。

 さらに言えば,一般の手袋にも,ある程度の耐切創性を持たせるために防刃布を重ねて成形する,といった工夫があってもいいと思う。オシャレと防犯グッズをうまく一体化することで,犯罪被害が少しでも減るといいと考える。