欧州で新たな変異体「ステルスオミクロン」報告、英国が調査中 (msn.com) 2022/1/24。また厄介な情報が飛び込んできた。COVID-19ウイルスのオミクロン変異株の中で,PCR検査で検出しにくい遺伝子構造を持った亜種だという。
この記事によると,オミクロン株の亜種は,BA.1,BA.2,BA.3という3種があるという。この情報そのものにも驚いた。ステルスオミクロンと呼ばれているのは,BA.2という亜種だという。
オミクロン株を「SARS-CoV-3」とする提案--潜伏期間2日,上気道での増殖で五類相当に(あくまでも素人の勘ですが・・・) - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/1/22 のブログで,上気道でも肺でも両方で増殖する強力な変異株が登場するかもしれない,という素人的な予測を書いたが,こういう形の変異もあるのか,と驚いた次第である。
インフルエンザウイルスの検出に用いるのは抗原検査である。鼻腔奥やノドなどの上気道を綿棒でこすって検体を取り,試薬で検査し,結果が出るのが15分ぐらいである。COVID-19ウイルスの検出に用いられる抗原検査も同様で,15分ぐらいで結果が出る。一方,検出精度の点で抗原検査は十分でなく,症状のある人や濃厚接触者に対してはPCR検査が行われる。PCRは,「正式名称「ポリメラーゼ連鎖反応」(Polymerase Chain Reaction)の略でウイルス等の遺伝子(DNA:デオキシリボ核酸)を増幅させて検出する技術」と解説されている。当方のような素人にも分かりやすく解説されたサイトがあったので,紹介する PCR検査ってどんな検査? (tachikawa-hosp.gr.jp)。
増幅するので時間がかかる。最初のころは数日かかっていたが,現在は1日後には結果が出る。分析機器まで備えている機関では,数時間で結果を出しているところもある。オミクロン株は感染から症状が出るまで2~3日と短く,より早い対応が肝心なので,検査時間の短縮は重要なのだが,その高精度のPCR検査すらかいくぐる亜種の登場は厄介と言えるだろう。
ワクチン開発で遅れを取った日本だが,重症化抑制効果のある薬の提供は早かった。その後また,治療効果が高い薬の開発で海外に先を越されてしまった。バイオテクノロジー分野において,欧米が多くの特許を押さえ,これに中国が迫るという構図の中で,日本の研究が今ひとつ精彩を欠いているが,検査方法の研究は地道に進められていると信じている。日本が得意とする光で標的細胞などを検出する技術などの応用が発表されるのを待ち望んでいる。