jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「XBB.1.5対応ワクチン」の声が聞こえて来ないのはなぜだろう--ファイザー,モデルナでも手こずっているのだろうか

2023年に入って欧米で感染拡大が進んでいる新型コロナウイルスが,XBB.1.5というオミクロン変異株からの派生亜種である。日本における第8波においても,XBB.1.5の割合が増えているという。

 XBB.1.5の特徴として,免疫回避能力が高いことと,感染力が高いことが挙げられている。BA-4,BA-5というオミクロン変異株派生亜種用のワクチン接種でできた免疫をすり抜けて感染する確率が高くなっている。ただし,ワクチン接種による重症化リスクの回避性能は,BA-4,BA-5と同程度とされている。

 BA-1およびBA-4,BA-5対応ワクチンで,感染リスクは下がらないものの,重症化リスクは避けられる。現状,同ワクチンでオミクロン変異株の感染を防ぐことができない現状では,「変異株対応ワクチンをいくら接種しても感染を防ぐことはできない」ということになり,「ワクチンを打っても絶対に重症化しないわけではない」「ワクチンを打たなくてもほとんど重症化しない」と思ってしまう人が増えても仕方がない。昨今のワクチン接種率の低下も,これが原因であろう。おまけに,感染しても特効薬もなければ,これまでのような保健所によるフォローもなくなった。外出さえしなければ,市販の解熱剤で様子を見れば1週間で症状も改善し,他人への感染の可能性もほぼなくなる。初期段階で効果が確認されたシオノギ製薬の治療薬「ゾコーバ」が処方されるケースもほとんどないという。第8波はまだ続いているが,古い体質の人々への説得材料がない状態--現状は「マヤカシのピークアウト」と判断 - jeyseni's diary 2023/1/26。まるで,新型コロナウイルスに感染してもしょうがない,と言わんばかりである。

 しかも,2023年5月19日から21日に広島で開かれるG7サミットへの政治的アピールのために,岸田内閣は閣議決定で5/8から感染症五類への指定変更を決定してしまった。医学的根拠はまったくない。しかも感染確認者数が1日4万人と,8波ピークの24万人超えに比べて1/6になってきているのに,1日の死亡者数は200人前後と,ピーク時の1/2程度も残っている。第7波の平均死亡者数と大差ない。医療現場は相変わらずギリギリの対応を続けている。逆に,一般医に感染防止服の着用やインフルエンザなどとの動線分けなど,インフルエンザとは異なる対応を準備してもらわなければならず,余計な出費を迫られる。患者に対して正しく対応してもらえるかどうかもわからない。

 mRNAワクチンという遺伝子を使った新しい製造技術によって感染発覚から1年でワクチン実用化に成功したファイザー社やモデルナ社が,その後オミクロン変異株に対しても3ヶ月で対応ワクチンを実用化した。しかしXXB変異亜種が発見された2022年10月からすでに4ヶ月が経過するのだが,XXB対応ワクチンの話題がまったく出てこないのはなぜだろうか。今回は免疫回避性の問題をクリアできていないのだろうか。

 インフルエンザの特効薬を日本が開発して世界に発信できたように,新型コロナウイルスの特効薬としてゾコーバがどこまで効果があるかを,もっと積極的に処方して治験を出して情報発信すべきではないのか。でないとまた,日本は何も貢献できないことになるのではないか。