新型コロナウイルスがオミクロン株になって急拡大した2022年1月からの第6波の際,拡大率を分析するツールを作って紹介した 単純計算で2022年1月末には1日16万人が感染--日々の拡大率2.5乗で試算【係数2.35に修正】 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/1/15。係数が2を超えるということは,倍々で増えていくことであり,かなりの脅威を感じていた。同時に,半月遅れで行動規制が発令されたり,自主的に行動を制限する減少圧も働き,結果的には約1ヶ月でピークアウトした。その後は,他国の例にならって,拡大開始から1.5ヶ月で感染ゼロになるというシナリオを提示したが,国民の自由意志に任された日本の場合は,その後ダラダラと減少するというパターンで,2022年6月末に全国の感染確認者数が9000人まで減ったところからまた増加が始まって第7波に入り,半月後の7/15には1日の感染確認者数が10万人を超えるという「前週比で2倍以上」が続いた。
第6波のときに作ったツールで,第7波の分析がようやくできたのでご紹介したい。
第6波のときは,2022/1/1に0人スタートで,拡大率が2.35でほぼカーブフィットした。第7波では,7/1スタート時の実際の感染確認者数に近い20000人を底上げした上で計算してみた。
赤の線が実際の感染確認者数,緑の線が第7波の予測,紺の線が第6波のときの予測である(実際にこれに近い形でピークは迎えた。その後の「急速な減少」という予測は外れた)。拡大率は,第6波が2.35だったのに対し,第7波は2.8という数字を入れて計算している。
第6波でこのツールを作る際,頭の中では「これは2乗じゃなく3乗ペースというとんでもない結果が出るのではないか」と心配して分析していて,結果として2.35乗で収まったのでほっとしていたのだが,第7波はそれを上回る2.8という数字をはじき出したので,非常に驚いている。
しかも,第6波では減少圧がすぐに働いたが,第7波では感染拡大が顕著になった7月に入ってからの減少圧となる対策がないので,紫の線で予想したような減少圧の要素はまだ入れていない。夏場に急拡大した2021年東京オリンピック2020の第5波でも,制限はあったが拡大を許した。何を根拠に行動制限をしないというのかが不思議である。
すでに,7/15の段階で103,296人,7/16には110,668人となり,第6波のピーク値である104,169人(2022/2/5)も上回っている。
他国がマスクなしとなり,海外からの旅行者を入れた日本が全員マスクをしている状況がもし恥ずかしいと思うのなら,やはり入国制限をもう一度引き締めるべきだと思うし,日本国内でのマスクなしで過ごせるための具体的な方針,つまり何度も提言している「換気の強化」をもっと徹底させる必要がある 結局「空流」に立ち返ることに--人流が止められなければ換気するしかない - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/4/14。これは,家族5人のうち4人が第6波で次々の感染した中でただ1人,感染を免れている筆者の切実な体験から進言するものである。しかし,筆者が勤める会社にも提言しているが,一向に動く気配はないので,どのかのタイミングでまた自主テレワーク宣言をする準備は進めている。
現在の全国の感染確認者が1日10万人超え,東京もほぼ2万人超えの状況で,誰が宣言を出すのだろうか。第6波が今となっては幸いだったオミクロン株BA.1,BA.2という上気道増殖タイプで重症化リスクが低かったが,第7波は同じオミクロンでも感染力とともに肺増殖タイプのBA.5や免疫回避力を付けたBA.2.75が中心となり,おそらく重症化リスクが高く,重症者が激増して病院がパンクし,死亡者数も一気に増える懸念を持っている。再び医療崩壊するのではないかと筆者は考えており,再度の緊急事態宣言をすべきだと思うのである。