jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

やり方がミミッチい日本の投資--オンリーワンになれない国

2000年を過ぎて,世界における日本の存在感がほとんどなくなってしまった。第二次世界大戦での敗戦後の経済発展を遂げたころの熱量が感じられない。

 戦後の日本の経済発展は,お世辞にも褒められたものではない。経済を支えたモノづくり産業は,基本的にすべてアメリカの技術をパクったものである。クルマ,半導体,重工業,化学工業など,日本オリジナルではない。唯一の日本オリジナルが液晶パネル技術だったが,韓国,台湾,そして中国に大型パネル技術を奪われた。小型パネル技術も,量産効果の差で競争力を失ってしまった。半導体の微細加工技術でも,カメラメーカー2社が一時は世界を席巻したが,その次世代技術への投資ができず,名も無いオランダ企業が今や世界で唯一,ナノレベルの露光技術を実現している。

 西側はGAFA(グーグル,アップル,フェイスブック,アマゾン)が世界を席巻している。いずれもインターネットをベースとしたビジネスモデルで世界戦略を構築し,ハード,ソフト,そして人材を投入して一気に展開した。

 電子マネーという裏世界を創り出したのも,ブロックチェーンという分散管理技術を展開した欧米が先行した。

 日本のコンピュータ産業は,インターネットも活用できず,独自OSも展開できず,さらにベアボードという回路基板を開発する技術もなかった。アメリカのボード技術の完全コピーから始まった台湾のボード産業が,いまや世界を席巻している。そしてOSはマイクロソフトWindowsが世界標準になっている。

 携帯電話も,独自のPHSiモードも世界戦略につなげられなかった。いまやスマートフォンAndroidiPhoneも,アメリカの技術である。

 一方,社会主義国家側は,国が主導して軍事技術を拡大している。中国,北朝鮮がその典型である。かつてはアメリカと旧ソ連が軍事技術をベースとして宇宙開発を進めた。その熱量は,アメリカ,そしてロシアとも世界No.1,No.2の座が揺るがされている現在,国内産業や雇用の確保に力点が移った。

 アメリカの宇宙技術は,イーロン・マスク氏による民間宇宙企業が引き継ぎ,商業宇宙開発へと展開している。スターリンクという宇宙通信衛星群を数千個も打ち上げるという,圧倒的な発想力で一気にそのビジネスを実現しようとしている。一方ロシアは,なぜかウクライナに攻め込むことで軍事産業の活性化を目指したが,時代がミサイルとドローンに変化し,旧い武器で効果を上げることができなくなっている。

 中国も,独自の宇宙ステーションを打ち上げた。米ソが少なくとも技術開発の点では協力していた宇宙空間に,自前で立場を築こうとしている。北朝鮮もとうとう,軍事衛星を2023年11月21日に打ち上げに成功したと見られる。

 日本の宇宙ビジネスは,もはや破綻していると思う(やはり失敗のH3ロケット--日本の技術はここまで落ちたということが改めて証明された - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/3/8)。

 エネルギーは,もともと日本にはなかった。太陽電池でも,日本独自技術としてアモルファス太陽電池があったが,破綻した。現在では唯一,色素増感太陽電池が,可能性を示しているが,量産しているのは1社だけである。

 筆者が提案している水素エネルギーも,細々である。e-fuelと呼ばれる合成燃料も,ドイツのパイロットプラントの1/10が1日1リットル作るのがやっとである。SAFと呼ばれる航空機用人工燃料の生産も,日本ではまだほとんどできていない。アメリカやチリでは,海藻から大量に作るプラントがすでに稼働している。

 日本で利益を上げているのは自動車産業だけだが,EVと呼ばれる電気自動車や,自動運転技術ではまったく出遅れている。

 農業では植物工場,漁業では養殖技術も陸上養殖という新しいアイディアがあるのに,いずれも何も動き出さない。

 どの産業分野でも,古い法律や,官僚の既得権益などの規制によってがんじがらめになっている。

 観光業も,中途半端である。海外から多くの観光客が訪れているが,収益が上がらない理由が,富裕層向けのサービスを構築できていないからだという。富裕層が来たくなるような場所ではないからである。宿泊設備も,料理も,たとえばアラブの富豪や,中国の富豪をもてなせる環境を用意できないのは,どこかに日本の方が上,という妙なプライド意識があるからだと思う。サービスに徹することができないのではないだろうか。そういう意味では,仮にカジノができたとしても,富豪はやってこないだろう。

 半導体産業を復活させようと躍起になっているが,投資額が中国に比べて2桁少ない。軍事産業はありえない。

 量産できる色素増感太陽電池を世界に供給し,それで作った再生可能電力で水素を生産してもらい,日本でこれをe-fuelにしてまた世界に供給するというエネルギービジネスモデルと,地球温暖化で収量が激減している水産業,農業の安定的な工場生産を拡大する食糧ビジネスモデルの2本に絞って投資を集中させ,現在の2桁,いや3桁上の産業基盤を作って展開するぐらいの集中投資をしなければ,日本はオンリーワンになれない。