jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ケガと戦争--痛み,恐怖,そして欠損を伴うケガは,その人の一生を奪う

ケガは困る。針で突いただけでも,カミソリでちょっと切れただけでも,その痛みは丸1日は続く。少し身体を動かしただけでも,痛む。

 今まで一番大きなケガは,階段で足を踏み外した際に左足首に負った剥離骨折で,痛みが取れるまでに6ヶ月かかった。別件で内視鏡手術を受けたときには逆に誤って神経を傷つけられた。皮膚のかなりの範囲の触覚感覚がなくなった。こちらは感覚が戻るのに2年近くかかった。

 それでも,人間の回復力はそれなりにあり,喉元過ぎれば熱さ忘れるのたとえではないが,痛みは忘れるものである。しかし,ケガをしたときのシーンを思い出すとトラウマになる。今でも階段の上では一瞬呼吸を整えるほどである。

 スポーツ選手もケガが絶えない。しかし,そのたびに手術を受けてでも復帰しようとする。精神力がすごいのか,試合そのものが強烈に楽しいからなのか,信じられないときがある。

 戦争の兵士は,攻撃のための訓練を受けた専門職である。一般人が戦場に出向いても役には立たない。したがって,負傷した兵士はなるべく早く回復させ,また前線に送り出す必要がある。このサイクルをいかに短くできるかも,戦争に勝つための条件なのだという。なんだか恐ろしい話である。しかし,戦場が悲惨であればあるほど,精神的なショックも大きく,PTSD心的外傷後ストレス障害)を起こす確率も高くなる。執拗なゲリラ的反撃を受けたベトナム戦争時のアメリカ軍兵士の例が典型的である。

 現在進行形の,ウクライナ-ロシア紛争と,ハマス-イスラエル紛争では,兵士以外の市民が被害を受けている。膠着状態にあるウクライナ-ロシア紛争では,ウクライナの予想外の反撃で必要以上の戦力を双方が使ってしまった。NATO加盟国がウクライナに軍事支援をするなどで,兵力も拮抗している。お互いが,かなり高度な迎撃ミサイルシステムを作動させているため,相手の攻撃の8割は食い止められて,民間人の被害もある程度限定的になっている。

 ところが,ハマスが実効支配しているパレスチナガザ地区には,実質的な防戦システムがない。ここにイスラエルからの強力なミサイルが次々と打ち込まれる。映像で見ると,1発のミサイルで10階建てぐらいのビルが完全に崩壊しているほど強力である。一方のイスラエルには,「アイアン・ドーム」と呼ばれる世界最強と言われる防空システムがある。ハマス側は,他のテロ集団とともにドローンなどを使った集中的な波状攻撃でこのイスラエルの防空システムの一部を破ろうとして成功しているが,武力差は圧倒的にイスラエル側に有利である。ここにさらにアメリカがバックアップしているので,ハマスを壊滅するまで地上戦も含めて侵攻すると宣言している。

 しかし,ガザ地区には200万人もの一般市民が暮らしている。すでに8割が自宅を失って人道回廊を伝って南部に移動をしているが,その南部の都市もイスラエルの攻撃を受けている。迎撃システムもほとんど作動していないために,地区全体ががれきとなりつつある。

 突然,空からミサイルが落ちてきて,ビルが崩れるのである。自宅はおろか,避難所に指定されて本来は攻撃をしてはならない学校や病院までもが,攻撃の対象になってしまっている。ハマスが一般人を盾にして身を潜めているから,というのが攻撃の理由だが,もはや相手がハマスなのか一般住民なのかの区別は付けることはできないので,皆殺し状態になっている。

 本来,平和に暮らしていた日に突然ミサイルが落ちて建物を破壊する。吹き飛ばされて亡くなる人,崩れた建物の下敷きとなって亡くなる人もいる一方で,飛んできた破片に当たってケガをする人も出てくる。そのケガも普通のケガではなく,生死に関わるような頭や内臓などに影響の出るような大きなケガまである。

 普通のケガでも,まずきれいにし,出血を止め,必要に応じて傷口を縫い,化膿ドメなどの薬で処置して包帯で固定し,そして安静にして治るのを待つ必要がある。

 しかし,戦場と化したガザ地区では,きれいな水も,手術を行うための電気も,薬も包帯もなければ,安静に治療できる場所すらなくなっている。

 さらに,イスラエルからの攻撃に加えて,おそらくハマス側からの人間の盾への強要を受けている人たちもいるだろう。物理的,精神的にすでに限界を越えていると思われる。

 人を傷つけ,命を奪うという意味では,戦争はやはり犯罪である。軍隊同士の力比べの段階でも,相手を傷つけ,殺すことが目的であれば,戦争を始めた側に責任がある。

 普段のケガなら,よほどのことがない限り,回復して元に復帰できる。しかし,爆弾などによる爆発や,機械による事故,交通事故,そして銃器や刃物による犯罪では,身体の一部を欠損して元に戻らない被害を受けることが大半である。そしてこのケガは完全回復することができず,その後の人生のQOL(Quality of Life)をどん底まで突き落としてしまう。

 天災は避けることができない。避難を前提に可能な限りの対応を取るしかない。東京の直下地震南海トラフ地震,富士山の噴火など,人智ではどうしようもない。

 しかし,自動車事故がルールと技術によってある程度抑えられる以上に,戦争は人類がまず最初の段階で「やめさせる」仕組みを作らなければならないと思うのである。

 どのような大義名分があっても,人の命を脅かし,ケガを負わせ,一生消えない肉体的,精神的障害を与える戦争は,許されない。

 本来は,この戦争を抑える役目を果たす役割の国連が,遠吠えのようにコメントを発するだけで,何の解決にもなっていない。

 戦争は,相手に被害が出た段階で犯罪であると定義し,これを処分する仕組みを作らなければならないと考える。そこには,もはや人間が介在すべきではない。「戦争,紛争は違法である」という前提で,ブレない判断ができるAI(人工知能)が登場すべき段階に来ているのではないだろうか。

 このAIの使命は,とにかく戦争の首謀者を特定し,ただちに無害化する機能を持つことである。その無害化の方法は,情報遮断を第一段階として,首謀者の拘束と断罪を速やかに行うことである。

 相手に痛みを与えることは,罪である。罪を犯した者は,すべてその代償を負わなければならない。しかし,結局投獄したとしても,人の心根が変わるものではない。ならば更生に時間と労力と税金をかけるよりは,極刑を選んだ方がいいのではないのか。

 処罰を人間が考えるから,これを防ごうとする弁護士というおかしな商売が出てくる。弁護士は結局は,犯罪者を擁護して報酬を得るという仕事である。収入があれば,どんな仕事でもするような気がする。

 すでに,芸術の世界でも,政治の世界でも,生成AIによるフェイクが拡大を続け,もはや人間の手では抑えられなくなってきている。現在のAIに対抗できるAIをまた創り出しつつあるが,結局はもはや人間ではコントロールできなくなりつつある。

 争いを続ける人類に対して,AIは「それは間違いだ」との立場から,間違った行動を起こした者を排除するように動くのではないか。まずプーチンを,そしていつの間にかヒーロー気分になっているゼレンスキーを,さらにハマス全体とネタニヤフ,そして金正恩を,順番に排除し,その次に続く者たちを排除していくのではないか。

 まあ,こうして順番に厄介者を排除していくと,最後にはだれもいなくなってしまうのかもしれない。その前に人類が自ら破滅の方向に突き進むのかもしれない。現在進行系の2つの紛争と,我が物顔に軍事拡大を続けている北朝鮮によって,最悪のシナリオが起きないという保証はまったくないのである。

 その前に,とにかく一般市民が巻き込まれるような戦い方を何としてでも止めなければならない。ケガで傷つくのは,身体だけでなく心も傷つくからである。