jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「災害関連死」って「見殺し」とほぼ同じ--故郷から離れたくない気持ちは分かるがぜひ退避してほしい

2024年能登半島地震から2週間経ったが,まだ全貌が掴めていないという。

 そんな中で,ライフラインも復旧せず,大雪にもなっている避難所で,すでに10人以上の方が災害関連死として亡くなっておられる。

 自然災害から逃れ,せっかく避難所に移動できたのに,そこで亡くなるとは,いかに現在の避難所の環境が劣悪であるかを物語っているのではないか。

 これはもう,見殺しであり,無駄死にである。災害でケガをして,それが悪化して亡くなったのならともかく,命が助かって,避難所に来ているのに,そこで死んでしまう事態に陥っているということは,避難所が避難所としての機能を果たしていないことになる。

 今回の地震は,陸路が絶たれ,海路も地盤の隆起で簡単には使えなくなっているのは1日もあれば分かる。ならば,空輸で可能な限りピストン運航して,物資を送るとともに,被災者の中で生死に関わる人をただちに救助して安全な病院に運ぶなどの措置を行うべきだった,ということはすでに書いた。避難所の環境に応じて、早期脱出を含む被災者対応の策定が必要--「有事」の「要退避」指示が出せない日本 - jeyseni's diary (hatenablog.com) (2024/1/15)。もっと言えば,災害関連死は人災である。

 ただ,インタビューを聞いていると,二次避難所として確保したホテルなどへの移動をためらう人たちが結構多いようである。たしかに,故郷を離れ,何もないところからスタートすることには不安もあるだろう。しかし,極寒の避難所で,電気,水道,暖房もなく,トイレの衛生管理もままならない状況で,避難所にとどまるという選択をするのはいかがなものだろうか。

 すでに,空き巣も出ており,また悪質建築業による不法契約なども発覚している。自分の家や財産は自分で守りたいという気持ちは理解できる。

 しかし,命あっての物ダネである。余震があっても崩れない,暖かい,風呂の使える二次施設に積極的に移動すべきだと考える。

 容態が悪くなってから,ドクターヘリで輸送,では間に合わないのである。持病のある人,高齢者,怪我人,妊婦,子供など,優先順位はあるだろうが,家族単位で移動できる人は移動すべきだと考える。

 阪神淡路大震災の際,筆者の両親は傾いた家で基本的に過ごしていたが,避難所にはお風呂を使わせていただきに行ったという。お風呂そのものは温かくて快適だったが,見知らぬ人たちと一緒の風呂はゆったりはできなかったという。筆者は避難の経験がないが,やはり気を使うだろうな,と容易に予想できる。家が崩れてしまったら,セレナの中で3人は寝泊まりするかもしれない。天井が高く,床が冷たい避難所では,ゆっくり寝付ける自信がない。なるべく早く,被災地から離れて二次施設に移りたいと思うのだが,いざそのときになれば,分からない。しかし,崩れるはずのない斜面が崩れ,盛り上がるはずのない道路が盛り上がり,そして家が傾いたり潰れたりという非現実な状況に,その地に対する信頼は失せてしまうのではないのだろうか。

 我が家でも,正月過ぎにノロウイルス感染,そして今週からは新型コロナ感染も再開した。勤め先でインフルエンザが相変わらず流行っている。普通の環境でも,感染症の危機が常に襲ってくる。まして,過酷な避難所の環境で,感染症があっと言う間に広がってしまったらどうなるのだろうか。新型コロナ対応ワクチンの接種を進めよ,という筆者の願いも,まったくそのような動きが見えない。感染が広まってからでは遅いのである。今回の地震は,これまで以上に復旧に時間がかかる。ぜひ,被災地を離れて逃げてほしい。