jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

人が街を破壊してはならない--東日本大震災から13年を目前にミサイル・爆弾での市街破壊の禁止を提案

2011年3月11日の東日本大震災からあと2日で13年になる。筆者の両親と兄家族は,1995年1月17日の阪神淡路大震災に遭い,筆者は首都圏でいずれの被害にも遭っていない。いよいよ首都直下地震の懸念が高まっている中で,地震津波,それに伴う火災という自然災害が,街を一瞬で破壊し,その復興に10年はかかっていることを思い知らされる。2024年1月1日に起きた能登半島地震も,もともと交通不便な土地とはいえ,海底地盤の隆起という予想外の被害で漁業再興の道筋がまだ見えない状況である。

 自然災害から10年を経過すると,街はその傷跡をほぼ残さないところまで復興してきた。関東大震災では東京の半分が火災で消失したが,そこに留まった人によって急速に復興が進んだ。一方で,福島や能登では土地を離れる人も多く,13年経った福島も街の形は復興してきたものの,震災前の3割程度の人口にしか戻ってきていない。

 自然災害に対して,基本的に人は無力である。熊本地震能登半島地震では,震度7クラスの揺れが2回起きたために,1回めで耐えられた家も2回めの揺れには耐えられなかった。土地が動くような力に対して,人の作った造作物など,ひとたまりもない。能登半島地震ではさらに,地盤隆起や液状化現象で土地そのものが動いてしまっただけに,家屋もビルも電柱もあらゆるものが動かされてしまった。この土地が将来的に安定しているという保証がなくなってしまっている。

 おそらく2階建て以上の建物では,1階が押し潰されてしまう危険があるだろう。早急に逃げる心構えが必要かもしれない。2階は比較的安全だし,すぐに逃げ出せるわけではない。被害が最小限になるよう,自分の身を守る行動をする必要があるだろう。

 自然災害からの復興に10年はかかるという東日本大震災から13年を迎えようとしている同じ時期に,ウクライナパレスチナガザ地区では,人の武器による破壊行為が続いている。意図的に何万発ものミサイルや爆弾,ドローンなどを使って,街の破壊行為を続けている。

 第二次世界大戦で広島と長崎に投下された原子力爆弾はそれぞれ1個。これで街は一瞬で破壊され,何十万人もの命が失われ,さらに残された人も放射能被害で一生苦しむことになった。それでもこれで戦争が終結し,日本の復興が始まり,世界一のモノづくり国に生まれ変わった。方法を支持することではないが,毎日のようにミサイルを打ち込んで街を順に破壊し,住民に恐怖と生命の危機を与え続けるのは,イジメにも似た卑劣なやり方であると感じる。

 悲惨な戦争から平和な時代になって生まれた筆者にとって,生き生きと暮らし,一生懸命働いて人類の発展や地球の環境保護などを進められることが人生の喜びであった。自分のためだけでなく人の役に立つ行動をできる人間になろうと続けたボーイスカウト活動も,自分の軸を支えてくれている経験である。そうした平和で前向きな人生の中で,適正な対価を得て生活できることが,人間の本来の姿だと思うのである。

 しかし,戦後の日本のような前向きな経済発展ができた国は,おそらく世界中でそれほど多くない。政治,経済,そして宗教の権力者が国民から搾取して財を蓄え,これが「国力」として世界に向けて発信される。国民は豊かではないのに,GDPは増える。そして権力闘争が戦争に発展する。権力者は力を誇示するためにしか力を注がず,国民はさらに搾取して追い込まれていく。権力者の意地の張り合いで国民は放置され,街が破壊されようが,食料が滞ろうが,戦いをやめるという選択肢がない。

 ウクライナの街を見ても,ガザ地区の街を見ても,破壊された建物が廃墟のように並んでいる。街を追われ,避難地区に逃げても,そこもまた攻撃を受ける。これが人為的に行われていることに憤りを覚える。

 捨てられた街は,復興にはさらに長い時間が必要になるだろう。能登半島の街も,二次避難で金沢などに移動している間に,故郷が遠くなる人もいるだろう。そしてその火事場どろぼうや,建築詐欺もやはり横行している事実に,日本人の心がまた戦前の貧乏な時代に戻ってしまったのを感じる。着実な貯蓄を捨て,投資と言う名前のギャンブルにうつつを抜かす時代になってしまった。これでは,戦前の小豆相場師と変わらない。

 頭を動かすだけでなく,手を動かし,身体を使って,モノを生み出して世の中を豊かにしていく,お互いに助け合い,一人も脱落者がいない世界に変えていく,そんな戦後の日本の理想はどこに行ってしまったのだろうか。

 何度もこのブログで書いているが,水素を使ったエネルギーと,安定供給できる植物工場や陸上養殖といった食料産業を進め,世界に供給して,もう一度日本が先頭に立って平和で建設的な地球を作っていく必要があると思うのである。