jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

インフラの危機が鉄道にまで及ぶ--JR北海道,九州の脱線事故

貨物列車が機関車ごと脱線 復旧のめどたたず 鹿児島・川内駅 (2024/12/12)。先月11/16にはJR函館線で貨物が脱線した。東京 足立区 京成本線の高架橋から長さ約11メートルの鉄骨落下 けが人なし | NHK | 東京都 (2024/12/12)という事故も起きている。

 大雨による川の堤防の決壊,土砂崩れという土木関連だけでなく,鉄系のサビによる破断・腐食・摩耗と思われる事故が目に付く。高速道路の全面的な改修も進んでいるが,全路が新しくなるのに何年かかるだろう。その間にまた同じような事故が起きないという保証はどこにもない。

 大雨によって土砂が流出して道路に陥没が起きたり,線路の土台が浸食されて線路が垂れさがる。特に道路の場合は,表面を舗装しているので,舗装の下で何が起きているのかを目視できない。あっという間に崩れてしまう。

 すべて,戦後の高度成長期に作られたインフラである。その後の経済の停滞で,メンテナンスが行われず,いわば「突然死」を迎えた格好である。何しろ,金のかかるメンテナンスは誰も行わなかったツケが回ってきた形である。

 矢板方式の河川堤防はいいアイディア。どんどん打ち込んでみてはどうだろうか。 - jeyseni's diary (2021/8/27)。矢板は鉄の板なので,いずれ腐食する。しかし,矢板の原理はシンプルなので,その横に打ち込み直せば十分な補強になる。一般道路の地盤,線路の土台の地盤が水で浸食したり流出したとしても,少なくとも矢板が構造部を支えることはできるだろう。あとは被害のあとを補強していけばいい。全面的に崩れてしまえば,ゼロから作り直すことになる。もちろん機械強度的には応急処置は一時的なものである。しかし,全面工事には数年かかる。その期間中も,生活の基盤が失われる人がいる。応急処置で最低限の移動や生活ができるような仕組みを作らなければ,生きていけない。災害復興住宅が半年先にできても,それは遅いのである。避難所生活でも1週間も続けることは苦痛なのである。

 日本のハザードマップが作られるようになったが,おそらく現在の居住地の半分以上は災害が想定される地域だろう。では,その災害危険性を知って,何ができるというのだろうか。おいそれと引っ越しするわけにもいかない。仮に引っ越ししても,行く先がさらに不便なところだったり,もっと危険な地域だったりする。さらに,「想定」する災害を越える災害が次々と起きている現在,ハザードマップで安全と言える地域でも災害の危険がないと断言することはできない。

 鉄道が,地域の人口の減少が原因でどんどん廃線になっている。一方,この代替となるバス輸送も,今度は運転手の確保ができず,路線の廃止が進んでいる。線路も道路も放置したままでは,いずれ崩壊する。ドラマ「北の国から」のような,自助努力,自給自足の生活に戻ってしまうのかもしれない。

 地方創生という掛け声が,単なる人気取りのように思えてならない。地域での産業育成と,生産地と消費地を結ぶインフラ整備をセットにして考えなければ,単なる箱物行政に終わってしまうような気がする。