2024年元日の能登半島地震で浮き彫りになったのは、避難所の環境がこれまでよりも厳しい点である。
これまでの災害では、自宅のライフラインの復旧に時間が掛かっても、避難所では冷暖房、照明、水や食料の確保などが早い段階で実現できていた。避難所の被害が軽微で被災者をサポートできたからである。
ボランティアて受け入れもでき、また自衛隊や消防などの救助要員もサポートできた。
しかし、能登半島地震では、避難所のライフラインにまず復旧のメドが立たない。特に暖房環境が悪く、またトイレやゴミなどの衛生面も劣悪なままである。被災者はガマンしながら生活しているが、体調の異変に気づけず、災害関連死が発生してしまった。
陸路の救援が困難なこと、孤立地域が多いことなどを考えると、基本的な生活を避難所でも行えない状況が長引くことが容易に予想できる。
こんな状況は、「要退避」として、災害地から別の場所に積極的に移送するという措置を早い時期に決定すべきだろう。
今ごろ、二次避難用の船舶を届けるよりも、早い段階でヘリコプターによるピストン輸送で孤立住民の退避ができたのではないか(自衛隊の有事対応の不安--機動力が発揮できていないのは政治のせいなのか - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2024/1/10)。
岸田首相の現地入りが,発生から2週間後,というのもノンビリしすぎているし,どの会見を見ても「最大の努力をする」と言葉ばかりで,金は都合したが行動が伴っていない状況が続いている。初動の遅れにより,さらに政権運営が厳しくなるだろう。
「要退避」は,海外で起きた紛争に巻き込まれないように国外退避するのと同様の強い決断が必要である。海外の場合も,日本人の退避はいつも一番遅い。自衛隊を動かす決断が遅いからである。首相の指示待ち態勢がこの足を引っ張っている。
「有事」は,戦争ばかりではなく,今回のような自然災害でも有事である。その判断が出せる政治のある国であってほしい。