jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

首都直下型地震の地面の動きを能登半島地震で置き換えてみた--皮1枚の舗装はビル倒壊につながる

能登半島地震が2024/1/1に起きてから1ヶ月半になろうとしている。ボランティアが金沢市を拠点に輪島市などへバスで向かい始めた。しかし,現地での宿泊施設はなく,断水が続いていることから,金沢とは日帰りとなる。片道4時間往復で,実質的な作業時間は現地で3時間しかないという。

 建物の8割が全壊していて,電気の復旧に1ヶ月,水の復旧に3ヶ月かかるという現地に,被害者が不自由な思いで残ることはなく,安全で快適な二次避難所に早く避難して生活と健康を取り戻すことが大事だと書いたのだが,現地で不便な生活をあえて選んでいる人も1万人以上もいる。仮設住宅もようやく数十戸が始まったが,1万戸まで出来上がるのは半年先になるだろう。

 むしろ,被害者は金沢などの借り上げアパートなどに二次避難し,現地の仮設住宅はボランティアの宿泊用に使うべきだろう。そうすれば移動のムダもなくなるし,ボランティア自身もより快適な生活が送れ,作業もはかどるというものである。

 さて,東京都内を歩きながら,もし今,能登半島地震のような地面の動きをする地震が東京で起きたらどうなるかをイメージしてみた。立っていられないほどの横揺れ,道路の舗装が跳ね上がるほどの地表面の移動,大きく左右に揺すられる住宅などである。

 まず,横揺れに対して,都内は10階建て以上のビルが多く,車道や人道のすぐそばにそびえている。近代的なマンションはいいかもしれないが,普通の雑居ビルなどを見ると耐震構造とはとても思えない。おそらく大きく揺れて根こそぎビルごと倒れるという建物がかなり出てくるものと思われる。実際筆者も,阪神淡路大震災で5階建てぐらいのマンションが20度ほども傾いているのをこの目で見ている。

 一般家屋も,能登半島地震のような大きな繰り返す横揺れを受ければ,ひとタマリもないだろう。しかも家と家とが隣接している。隣の家の倒壊によるまさにドミノ倒しが起きることも容易に想像できる。

 そして,首都高速である。阪神淡路大震災の後,耐震補強をされたのだが,阪神淡路大震災で倒壊した1本脚構造の阪神高速道路よりは,ある程度面で支える構造にはなっている。しかし,1車線以上が張り出し部分にある。この車線が崩れる,あるいは高速道路全体が傾く,ということも予想がつく。

 そして道路である。能登半島地震では,土地の表面が50cmほども左右に移動し,厚さ10cmほどのアスファルト道路は,見事に舗装が跳ね上がった。液状化の影響もあって陥没した場所もあった。東京都内も,地下にさまざまな構造物があるが,基本は土の上にアスファルト舗装をしただけである。左右に50cmも地面が動いたら,舗装は耐えられず,跳ね上がり,盛り上がり,陥没などが能登半島と同様に起きることが予想される。

 能登半島地震では,揺れが始まってから家が倒れるまでわずか3秒しかなかったという。逃げる準備すらできない間に家が倒壊して,犠牲になった方が多かった。東京だと表を歩いている人も,地面の跳ね上がりのほかにビルの倒壊,高速道路の倒壊,という被害も出てくることが予想された。

 首都直下型地震が起きれば,ビルや家屋の倒壊と,道路の舗装の跳ね上がり,そして高速道路などの高架設備の倒壊は必ず起きると考えられる。家にいても,街を歩いていても,立派なビルに入っていても,免震装置が役に立つようなノンビリした揺れではなく,とにかく「建物に飲み込まれないような逃げ方」を考えなければならない。

 しかし,首都高速の高架下の歩道を歩きながら,歩道横に立てられているビルや家屋,アパートなども,おそらく首都直下型地震では加害者になる可能性があると判断した。無関係にたまたまビルの横を歩いていた人が,地震による建物や高架物の崩壊による死亡者になってしまうのかもしれない。

 命があったら儲けものなのかもしれない。しかし,東京には暖の取れる避難所はほとんどない。帰宅困難者をサポートする態勢がすでになくなっていると思う。

 首都直下型地震では,60万戸の仮設住宅を建てなければならない。しかし5年後には価値が下がり,廃屋を増やすことにつながるかもしれない。

 頑丈な基盤の上に作ったというお台場のタワーマンションも建築許可したものだと思う。結局はいつのまにか金持ちになっている中国の富裕層相手ということなのだが,超VIPに対するプレゼンテーション力が弱すぎると思うのである。

 とにかく,能登半島地震の地面の揺れ映像は,とんでもない揺れだったことを示している。甘く見てはいけない。東京は,もっと巨大な構造物が所狭しと並んでいる。これが一斉に揺れて数秒後に次々に自分の上から崩壊してくる,などという状況は考えたくもないが,おそらく同じような光景が繰り広げられるのではないかと考える。

 家族の安全・安心のために建てたマイホームも,機能やデザイン優先で,安全性については次々と更新される基準に着いて行っていない建物が結局は大多数を占めることになる。数秒後に家の1階が潰れる,道路の舗装が盛り上がって移動できなくなる,ライフラインは1ヶ月使えない。

 元埋立地でもあり,東京の隅田川より東半分は,津波の被害を受けるほか,能登半島地震で起きたような液状化現象もかなりの地域で起きると考えられる。

 空き家登録制度の発動を,まず要求したい。普段から田舎の家についての興味をもたせれば,その地方に対する接し方も変わってくる。

 それにしても,最近,地方移住をそそのかすようなポスターが増えているのを感じる。近くだと埼玉県や千葉県,かなり遠方だと熊本県高知県がポスターを出している。なぜ急に? と思いたくなるが,ついでにこういう家屋提供もしてもらい,都会と田舎の二重生活,というのも悪くないのではないかと思うのである。

 ちなみに,能登半島地震の揺れ方の動画を見て,我が家に当てはめてみたが,おそらく全壊すると見た。少なくとも1階は一瞬で崩れるだろう。建物の中で撮られた動画も見たが,元の直角を維持できるものは,壁も柱も家具も何もないだろうと思った。

 建て売り住宅の木造建築としては,比較的いい木材を使い,大工さんも一流だと聞いている。床下を従来の普通基礎からベタ基礎に修正し,地震対策の補強材を入れ,屋根も軽量の金属屋根に替えるなど,家族の安全・安心のためにそれなりに追加投資もした。

 それでも,あの能登半島地震の映像を見て,この揺れに耐えられる家がどれだけあるだろうか,という感想だった。木組みで作られる木造住宅は,1回の揺れで木組みの部分が破壊されるだろう。それで形を維持できたとしても2回めの揺れには耐えられない。鉄骨住宅は枠組みがネジで固定されており外れることはないだろう。しかし枠組み全体が曲がって押しつぶされてしまう可能性はある。2回めの揺れがあれば,それに耐えられるかどうかは保証できない。コンクリート住宅は重量がある分,横揺れには弱い気がする。鉄筋で支えることはできるが,横方向に倒れてしまうかもしれない。あるいは,基礎が地面と耐えられなくなって,横倒しになるかもしれない。

 結局,地震対策としての筋交い構造だけでは枠組みそのものが破壊してしまえば2回めに耐えられなくなる。そうすると,筋交い部分に制震ダンパーを入れることで,地震の急な動きがすぐに枠に集中するのを防ぎ,反動で破壊されるのを防ぐしかないのかもしれない。

 ただ,この制震ダンパーも,雨後のタケノコのように多くの業者が参入している分野であり,その性能にも差がありそうである。ダンパーが破壊されれば,筋交いの機能さえなくなるので,返って危険ということもありうる。取り付け技術,経年後の性能劣化とメンテナンスなどを考えると,これも選択しにくくなってくる。

 日本は国土が狭く,山を切り開いたり,海を埋め立てたりして土地を広げ,そこに住宅を建設してきた。狭い土地にアパートや高層マンションなども無理やり建ててきたような気がする。人口が増え,国が栄える,というのが前提だった。

 しかし,日本の高度成長が止まり,人口増も止まりつつある。難しい技術を使って高い建物を作らなくても,平屋でゆったりした家を安く作ってみんなで住んだ方が,災害に対して強い国になれるのではないだろうか。

 今回の地震で,2階建て住宅でさえ全壊の被害が多数出ている。平屋の方が必ずしも安全とは言わないが,地震に強く設計しやすいのではないか。

 急斜面の近くでの崖崩れ,埋立地での液状化現象なども防げるような,丘陵地の平屋住宅地が新たにメジャーになっていってもいいように思える。

 避難家の確保としての全世帯セカンドハウス構想(東日本大震災から12年--日本は水・火・土の被害が大きいので,正しく施工された高層住宅が命を守る選択になるかもしれない - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/3/11)の行き先として,平屋建てが選択できれば,メンテナンスもしやすいように思える。

 しかし,結局何も手を打つことなく,首都直下型地震に見舞われるのだろうな,という半分あきらめの気持ちもある。今の住所が,揺れに対して優しい土地であってほしいと願うばかりである。