筆者は子供のころからハンカチは常に持ち歩いている。幼稚園のころは,ハンカチの真ん中にボタンを入れてヒモでくくり,これを首から斜めに掛けていた。落とさないようにという心遣いだったのかもしれない。
留学でアメリカに1年過ごした際,彼の国ではハンカチを持ち歩く習慣がないと聞いて驚いた。たしかに,トイレにはハンドドライヤーやペーパータオルが備え付けられている。ハンカチがなくても洗った手を乾かすことができる。中には,洗った手をブルブルっと振ってそれでおしまい,というのも結構見かけた。
新型コロナが流行し,飛沫感染が感染拡大の要因だということで,日本でも増えてきていたハンドドライヤーの使用が中止されるようになった。ゴミを大量に出すペーパータオルは,それほど設置するトイレはない。
そういえば,日本人でもハンカチを持ち歩かない人が増えてきているようである。となると,洗った手をブルブルっと振って乾かした気持ちになる人が増えている。この傾向は,大人だけでなく,子供でもハンカチを持ち歩かない子が多いようだ。
たしかに,ハンカチで手を拭くと,ハンカチが濡れ,それをズボンのポケットに入れるとズボンが濡れてしまう。さらに,完全に汚れが落ちているわけではないので,次に使うときには古い汚れが手に戻ってきてしまう,ということもあるだろう。清潔さから言えば,ハンカチに頼らない方が清潔なのかもしれない。備え付けのペーパータオルがなくても,小型のウェットティッシューペーパーで手を拭けば済む。
筆者の子供のときには,当たり前かもしれないがウェットティッシューなどなかった。便利なものができたと思っている。特に,夏場の汗を拭くのに,ハンカチだとハンカチが汗臭くなって嫌な気分になったものだが,ウェットティッシューだときれいに拭き取れて,処分もできるので,ありがたい存在である。手洗いはハンカチで拭くのとうまく区別している。
咳やくしゃみが出そうになったときに,咄嗟にハンカチが取り出せれば,鼻や口を覆った方がいい。これはマナーである。ハンカチがポケットに入っていないと,手で押さえても飛沫を撒き散らすことになる。やはり,ハンカチは持ち歩いた方がいい,というのが,筆者の結論である。